2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

圧波形がきれいな3角形をしていたら、水分量としてはだいたい**いい線**をいっている

基本はこれだけ。足りないならどれだけ入れればいいのか。 そもそも本当に「足りない」のか。 アナログな波形判断だけでは答えは出ない。検査の感度や信頼性という部分では、 この検査は信頼性は低い。でも役に立つ。このパラメーターのもっとも大きな利点は、…

動脈圧波形が「尖って」いたら、その人には水が足りていない

栄養の悪い人、肝臓の悪い人では、水を入れないと血圧が保てず、水を入れれば入れただけ胸水が増える。

医者のやっていることが本当に何かを「管理」出来ているのなら、 水加減を調節できる能力というのは 医者の技能の中では相当に大事な能力だ。これは何をみても分からない。胸部単純写真は嘘をつくし、心エコーも嘘をつく。 血液検査。肺動脈カテーテル。どんな…

外科の手術後などは、内科の常識ではありえないぐらいの輸液量を入れても、まだ足りないことがある。

心臓機能が落ちていれば、同じ水分量でもうっ血を生じる。

アナログ評価の検査

##大動脈圧波形 いま働いている集中治療室では、患者さんのほとんどに動脈ラインがつながっている。 動脈ライン。右の赤いのが波形。動脈ラインはいろいろなことに使える。血圧や脈拍数は24時間連続して測れるし、 採血も楽だ。24時間体制のICU、1日に4回も5…

匿名性の高いインターネットで、大人を装った子供の意見が

社会に大きな影響を集めていく展開20年近く前に書かれたものとは思えないぐらいに現在を当てている。SF作家は、未来を当てるのが上手だ。経済学者、社会学者の未来予測というのはたいてい外れる。 学者は、過去から現在を見て、そこから未来を予測することし…

天才として最初から作られた子供世代の台頭

情報伝達の遅延と多様性

勤務先で変な風邪が流行っていて、この2日間身動きとれず。気管支からやたらと「いい痰」が出て、 培養に出したらなんか生えるんじゃないかと…。##エンダーのゲーム 寝てばっかりだったので、[エンダーのゲーム](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415…

分かりやすいマニュアルへの試行錯誤(2)

##分かりやすい/読みやすいとは 以前書いた病棟ガイドもいいかげん古くなったので、今年こそ内容を書き改めたい。 できれば、もうすこし分かりやすい内容で。 洗脳とか、ゲーム脳化とか、そういった下衆な意図無しのやつを。工業製品の取扱説明書は、読者に「…

全体像を把握するのが容易。「目次」を用意しなくても、紙のどこかに重要な単語だけ集まった場所を作れる。

##やはり出てくるマインドマップ しばらく前からマインドマップを使っている。[FreeMind](http://www.freemind-club.com/)というソフトをいれて、 PC上でアイデア出しやまとめをするのに用いているが、 慣れるとかなり便利だ。今回の文章を書くのに作ったマ…

流れを表現するのに適する。これは従来の文章でも可能だったが、並列、分岐、因果関係といった構造を表現するには、フローチャート型式以外では不可能。

内容の重要さに重み付けが可能。上の方ほど重要、中心に近いほど重要といった、位置を用いた内容のランク付けが可能。

読む順番を決めなくても読める。見出しは中心に、内容は末梢に配置できるので、読みたい所から読める。

並列表現が可能。従来の箇条書きでは順番が出来てしまうため、厳密な平等表現は不可能。

禁止事項も、規則を破るとどんな結果が待っているのか、具体的に書く。

これを読んで、自分がどんなことができるようになるのか。 果たして読むに値する内容なのか。こうした不安感がぬぐえないと、読者は集中できない。 読者が安心して読める文章は、読みやすいし分かりやすい。それでもなお、マニュアルを読むのは面倒だ。工業…

結果志向で書く。「○○をしてください。すると、こういったことがおきます。」という、行動の結果何がおきるかを記載する。

行動の目的については、紙面が足りないなら省いてもいい。

最初に概略を書く。これから提示される手順がどんなものなのか、事前に分かってもらう。

マニュアルに情報を並べる順番は、製品を開封してから電源を入れ、実際に使って見るまでを順を追って書く。

ユーザー視点での順番を心がける。

読んでもらうためには、まず読者に知識を与え、

さらに安心感を与え、同時に潜在的危機感へも訴えながら、文章内容を理解してもらう。

分かりやすいマニュアルへの試行錯誤(1)

##あるセカイ系の妄想 >内容さえすばらしければ、1つの文章、1冊の本というものには世界を変える力がある。そんな童貞臭いセカイ系の戯言を、昔は本気で信じてた。研修医だった当時、聖路加だの虎の門だの、大手のブランド病院は「研修医が書いた」と称する レ…

同じ文章には同じ絵を付けて、ボーっとしていても絵だけでも内容を追っかけられるようにする。

この頃参考にしたのは、熱帯医学関係のパンフレットや、 未開地にエンジンを売る会社(たしかヤマハ)などで用いている、 現地の人向けの操作マニュアルだ。言葉が分からなくても、絵を見ているだけで大体分かる。 何をすればいいのか、絵を見て大雑把に把握し…

「理学所見をとる」「聴診する」などというあいまいな言葉を使わず、「右胸を聴診して呼吸音の有無を聞く」といったように、 なるべく具体的な動作を記載する。

図版を多くして、文章を短くして、なるべく簡単に読めるようにする。

カルトは権威好きだ。誰も知らない権威の発言は次々と引用され、カルトの思想に厚みを加える。

最初に文章を書いてた頃は、とにかく読んでもらうことが先決だった。 あんまり受けなかったけれど、全部テキストベタ打ちだったから、アクセス数稼ぎにはなった。 今見ると読みずらい。索引もないから、現場で何かを調べるのは無理だろう。##従来の文章を越…

カルトのパンフには「みんな」がいっぱいいる。「みんな」私達の言うことを信じるでしょう。

「みんな」で力を合わせて…。漠然とした仲間意識は、目の前の人間の言うことを断りにくくする。

カルトには例外や失敗はない。失敗例は、教えを忠実に守れなかった人だから、思想そのものは悪くない。

カルトは言い切る。断言されたものに対しては、人は肯定か、全否定かの2者択一を迫られる。カルトの論法は、

「負けないけど勝てない」ではなく、「負けるけど勝つ」戦略をとる。否定する人は、「悪魔」認定される。

カルトは危機感を煽る。現状の世界の悪い部分をクローズアップして、「このままでは世界が滅ぶ」と宣言する。

世界滅亡を回避するには、カルトの思想を信じるしかない。

論文を書くということ

昨日のおしゃべりのまとめ。アカデミズムに背を向け、ただひたすらに患者様中心の医療に邁進すのは、 全然かっこいいことじゃないです。臨床のことだけ、治療のことだけ考えて医者をやっていくという選択肢は、 何の覚悟もいらない、楽な道を選択するという…