2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

臨床研修2題

本日をもって貴様らは研修医を終了する 本日から貴様らは医学の探究に身を捧げる臨床医である 兄弟の絆に結ばれる 貴様らの潰れるその日まで どこにいようと全ての医師は貴様らの兄弟だ 多くは地方病院へ向かう ある者は二度と戻らない 病棟業務に明け暮れデ…

車に轢かれた動物のお菓子

[ロサンゼルス 26日 ロイター]車に轢かれた動物の形をしたお菓子の販売中止を動物愛護団体が求めていたが、このお菓子を販売しいていた米クラフト・フーズ社では団体の要求に従うと発表した。こんなの。轢殺された蛇と、背中にタイヤの跡。全景。ものの是非…

介護はどこへ向かうのか

慢性疾患の高齢者の介護は家族にとっては大変な負担である。不景気な世の中、みんなぎりぎりのところで生活している。身内にこうした人がいると、その人が倒れたときの家族の負担は莫大なものになる。どうすれば家族の負担を最小限に出来るのか。病院側から…

納得と理解とは違う

脳梗塞など、後遺症の残った患者さんの家族に退院のムンテラをする際、家族の人たちは「ずっとこの病院において下さい」と頭を下げてくる。家族の人たちもいろいろ考えている。もちろんずっといられるわけもないことは分かっているし、一方で自宅に連れ帰る…

EBMの活用方法

EBMという概念は、某巨大掲示板のような場所で使われると、相手にとって迷惑この上ない武器になる。 その発言のエビデンスレベルはどのぐらいなの? 反論するけど、NEJMのバックナンバーぐらい全部読んでるよね? そんな治療、ガイドラインのどこにも書いてな…

経験を物語として伝える

自分の経験を下級生に教えるには、カンファレンスよりも医局でのバカ話のほうが効果があるという話。 むかし、不信の病にとりつかれた王がいました。自分の妃すら信じることができないので、次々と妃をめとっては、翌朝殺してしまうのです。この王のもとへシ…

Clie滅亡…

Slashdotより。SonyがClieの新機種投入を断念したとの発表がpc watchに掲載された。現行機の生産も今年 7月で終了となる予定。 既存ユーザのサポートについては「保証書記載のとおり、出荷終了後6年間行なわれる。、、、 _| ̄|○... 。もう下級生にはPalmデバ…

一般内科医とひじきとの悲しい関係

小学生の遠足のとき、ガキ共が皆弁当箱を広げた情景を想像してほしい。ガキだけに好き嫌いはさまざまだ。卵焼きが好きな奴、ハンバーグが好きな奴、いろいろいるがしょせんはこどもの味覚だ。なんでも好きな奴なんてそう多くは無い。どんな奴の弁当にも必ず…

手に職のついた医者

研修医を育てるにはお金がかかる。研修医の手技には無駄が多く、一方給料だけはきっちり持っていかれる。自分が研修をさせてもらった当時、研修医が自分の食い扶持を自分で稼げるようになるまで最低3年、その間に病院が持ち出すお金は一人当たり2000万円程度…

ポール・グラハム論法

ポール・グラハム論法より。 論文は小数の専門家によってしか読まれない。ごく一部の論文は世の中に大きな影響を与えるが、残りの大半はほとんど影響を与えない。正確に言えば、博士号の取得であるとか、大学内の昇進・雇用の維持であるとか、学会の存続であ…

臨床の型の伝達

当院には昔、外来見取り稽古というものがあった。救急外来をローテーションするレジデントは、1日のうち決まった時間は外来をやる上司の後ろに黙って立ち、ひたすら外来の様子をうかがったり、上司の処方箋書きを手伝ったりする。下級生からの「あまりにも理…

暗黙知の伝達

親切な説明や、詳細なマニュアルなどで伝えられるものだけが知識ではない。例えばある人間の顔を表現する場合、当人の顔が目の前にあれば「この顔だ」と説明できるが、その風貌を言葉だけで他人に伝えることは困難である。例えば誰かに自転車の乗り方を説明…

情報を壁に貼る

CPRの手順、病棟でよく使う薬の作りかた、病棟で行われる代表的な化学療法のレジメンなどは、それを大きな紙に書いて、ナースステーションやERの壁に貼っておくと便利である。壁紙に情報を張ることには以下のようなメリットがある。 うろ覚えによるミスをな…

ベッドサイドに情報を集める

入院患者の病気に関する情報、処方内容や病歴、臨床経過、温度板といったさまざまな情報は、すべて入院している患者さん本人のものだ。自分の持ち物を離れたところに放置する奴はいない。病院ではなぜか、カルテや検査結果、病棟オーダーといった情報は患者…

NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術

NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術以前から興味のあった分野の、ようやく本命的な内容の本が出版された。紹介もとのサイトの内容を見ると、以前元ネタにしたものよりはマニュアル色は薄そうだが、日本語訳されたものの中では間違いなく一番内容が濃い本だ…

TRIZという考えかた

専門家に求められているのは、「こうしたことがあるからこのことが生じ、この結果が出る」、言い換えれば原因から結果が出る道筋を説明することではない。実際の人間の生活の中で求められるのは、結果をどう起こさせるかの道筋である。教えたり、物事の理解…

ペアプログラミングの概念を用いた臨床研修

研修医の教育は面倒くさい。スタッフも、シニアレジテントも、研修医の教育に割く時間はもう1ナノ秒足りとも増やしたくない。一方、研修医の成長には誰もが期待している。早く1人前の戦力になって、病棟業務をより軽快にこなして欲しい、自分達が日々行って…

医師の独り立ち

研修医を育てるにはお金がかかる。研修医の手技には無駄が多く、一方給料だけはきっちり持っていかれる。自分が研修をさせてもらった当時、研修医が自分の食い扶持を自分で稼げるようになるまで最低3年、その間に病院が持ち出すお金は一人当たり2000万円程度…

フォネティックコード

業務にかける予算と、業務の確実性とは比例する。現在の日本の医療行政は、これだけ少ない予算とマンパワーの割には高い信頼性を維持していると思うのだが、世間様は許してくれない。何とかお金と人手をかけずに過誤の機会を減らす方法を、以前からあれこれ…

不公平な臨床研修

厳しい研修医生活の中にも楽しいことはある。治療のための手技、手術への助手としての参加、勉強になる症例の受け持ち、先輩医師からの実戦的な知識の伝授などなど。病棟の雑用係としての忙しい生活の中で、しばしば教科書では学べない興味深い体験が転がり…

シンプルなワーファリンの使いかた

Initiation of warfarin therapy in elderly medical inpatients: A safe and accurate regimen 平均85歳の高齢者に以下の方法でワーファリンを開始したところ、致命的な出血(別にワーファリンが効きすぎたわけではないらしい)を生じた1例をのぞいて大きな合…

正しいことだけがすべてではない

他科と共同で患者さんを診療していると、時々出くわすのが「正しい」治療を振り回す先生である。EBMという(ひどく誤解されている)概念が出回ってから余計にひどくなったが、「ガイドラインからは先生の処方は無意味です」「その検査のエビデンスは何ですか?…

パニックの制御

何かの手段で相手を驚かせ、パニック状態に追い込むと、その人が普段持っているはずの判断力が低下する。このことを上手く利用できれば、患者やその家族の意思をある程度コントロールできる。パニックに陥った人は、その解決策としてより簡単なもの、簡単な…

尋問の方法

警察が容疑者を取り調べる際の方法論。取り調べでのセリフ例「何もかも洗いざらい正直に話せ!よく思い出してみろ!」「おまえがやったのはわかってるんだ!罪を認めなきゃ一生ここから出れないんだぞ!」「素直に認めりゃ、起訴猶予にも出来るし、悪くても…

外来の早い医者は評判がいい

あせればあせるほど外来の患者は滞る。1時間待たされた人は1時間分話を聞いてもらおうと怒涛のようにしゃべり、それを適当に聞き流そうとする医者の雰囲気はすぐに相手に伝わる。「こいつまともに聞いていないな」と感じた患者はますます会話のトーンを上げ…

戦場で使えないPDA

Palmを弄くりまわすのは面白い。こんな小さな道具がなぜこんなに楽しいのか、いまだによくわからないまま遊んでいるが、やはり面白い。別にゲームをするわけでもネットにつなぐわけでもなく、単に手帳の代わりに使っているだけなのだが、何年経っても飽きな…

インフォームドコンセント

患者への説明は大切だ。現在の病気の状態はどうなのか、どういった治療法があって、それぞれどういった利点と欠点とがあり、治癒の見込みや社会復帰の可能性などはどの程度あるのか。医師は知りうる限りの全ての情報を患者側に提供しなくてはならず、患者は…

Tungsten C 購入

遅ればせながらTungsten Cを購入してみた。現在使っているTungstenEで何も困っていないのだが、キーボートつきのPalmを前から触ってみたかったのと、海外通販会社のExpansysが日本語サイトをオープンしたことから。TungstenCはもう値崩れしており、以前は日…