2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

医者が突進しなくなるとき

仕事に慣れたばかりの医者は無茶をしたがる。医者を始めたばかりの頃、点滴一つ取れない頃は何をやってもお客さんの迷惑になる。採血をすれば相手の腕はアザだらけ。点滴を取ろうとすれば患者さんの顔が恐怖に引きつるのがすぐにわかる。こんな状態をくぐり…

某ブランド病院の研修医のこと

1年目の研修医の頃。何かの機会に、当院に循環器の大家の先生が講演に来て下さったときのこと。聖○加国際病院に関係のある方だったからか、同じく1年目ぐらいの聖路加の研修医が、当院までその講演を聞きに来た。他の病院の研修医に会うのは初めて。こちらは…

病院のライフサイクル

救急を取る病院がまだまだ少なかった時代。地域の基幹病院は県立病院しかなく、救急車で30分。救急の対応も今ひとつ。地域に「住民のための」新しい病院への欲求が高まった頃、200床程度の規模でその病院は開院した。開院したての病院には何もない。とりあえ…

共同作業を達成する能力

一般内科医は、患者さんの問題点を「系」で考える。入院のきっかけになった問題は、必ず次の問題を引き起こす。内科医は、脳梗塞になった患者さんなら誤嚥性肺炎や脱水を心配し、心筋梗塞で入院した人ならば、今度は合併する腎不全や心不全に思いをはせる。…

専門外の治療は楽しい

自分の専門領域は一応循環器だが、趣味(?)でいろいろな科の話題に首を突っ込む。血液ガスの解釈、人工呼吸器の管理、電解質以上の管理や補正。最近では慢性疼痛の治療など。専門領域以外の話題に口を挟むのは楽しい。上級生の特権で、下級生の「専門家」(様…

臨床研修初日

研修医の祈り急患当番の命を受けたとき 神よ何回眠れぬ夜を越そうとも 倒れず働く強靱な生命力を与え給え救急外来から手術室まで 急変の恐怖から私を救い出すパワーを与え給え婦長の叫びも聞き流し 上司の怒りの炎を消し去る力を与え給え私は天職に従い生命…

夢には条件なんて関係ない

某外科に患者の手術を断られた。「ガイドラインでは、このステージに手術を行っても予後改善の効果は見られないので、手術の適応にはならないと思います」だと。「条件が悪いから手術ができない。やっても意味がない。」そんなことは無い。夢とは「だから」…

トラッカーになろう

軍の特殊部隊などのチームは、各々が分担する役割が違う。コマンダー:チームのリーダー。通信機器も携行する。 ブレイカー:ドアブリーチャーなどとも呼ばれる。突入の際のドアの破壊を担当。 シューター:突入要員。基本的にすべてのチーム員はシューター…

二元論的世界観

全く新しい世界に放り込まれた人間は、その世界の中で何が正しくて、何が間違っているのかを判定する能力を持っていない。何かを判断するためには基準となるものが必要になる。基準というのは自分の知識や経験の蓄積である場合がほとんどなのだが、例えば研…

共通の敵をつくる

大きな問題、マンパワーを喰う問題を解決するのは個人の力では限界がある。専門家集団によるチームは、思考のパワー、アイデアの豊富さといった部分では、個人とは比較にならない力を持っている。専門家集団による治療はすばらしい。大学病院級の施設には、…

空気を読む

空気を読むということ病棟の空気を読むということ 誰かの部下になるということ 上級生より早く動くということ 勧められた酒を断らないということ 従うこと 素直に頭を下げること 空気を読むということ急変の空気を読むということ いまモニターのアラームが鳴…