2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

知識の渋滞を抜け出すために

##知識習得の高速道路化という現象 インターネットの普及や、安価に使える論文データベースの普及に伴い、他の人の知識の成果物の参照が、極めて容易になった。他の人の技術を自分の参考にするのが容易な業界、とくにプログラマーの業界では、このインターネ…

伝説のインドの天才数学者ラマヌジャンは、貧乏で進学できなかった子供時代、一人で分厚い数学の辞典「純粋数学および応用数学における基本結果概要」にでてくる5000の公式、方程式を丸暗記していた。

>膨大な量の答えの暗記、計算の分割方法の知識は、数学者の計算速度を飛躍的に高める文化概念ツールとして機能している。日本の珠算の上級者は暗算のときに頭の中でソロバンを動かすらしいが、これもツールの例といえる。 >[Passion For The Future: なぜ数…

累乗計算の世界記録保持者ウィム・クラインは100桁の数の13乗を2分以下で行うことができるという。彼は150までの整数の対数を丸暗記してこの計算に用いている。

計算の天才マーティン・ガードナーは777の二乗を計算するとき、まず777に23を足して計算しやすい800にした。彼は100までの二乗ならば答えを暗記していたので23の二乗は529だとすぐに分かった。

そこで、(777+23)×(777-23)+529=(800×754)+529 を計算し、603729という答えを瞬時に計算した。

リスクの回避と、あえてリスクをとる場所を理解する

##まずは理解でなく暗記から 手術や手技を覚える場合、大事なのは手順を理解することではなく、手順を覚えるということだ。覚えるというのは、文字通り暗記する。例えば手術の手順などでは、手術の参考書に書いてある切開の順番、そこで使う道具の名前、その…

手技のリズムを把握する

手順を理解するのではなく、暗記する

認識のスケール

何が知りたいのか、状態や経過をどういう空間軸、時間軸で把握したいのかによって、検査の有用性というものは全く変わってくる。たとえば、「心不全」という一つの病態を把握するのに、現在よく使われるのが、心エコーと血液中BNP濃度だ(他にも聴診や問診、…

仕事は大変だけれど、僕達が頑張らないとね…

人は他人の芝の青さをうらやむ。面白いもので、他人の芝の評価は「青さ」だけ。きれいに見えるかどうか、庭全体を見て、ごく大雑把な評価を下す。一方で、自分の家の庭の評価は複雑だ。 >家の庭には池があるけれど、芝生の植生は今ひとつ。 >確かに石ころの…

拘束時間は長いけれど、それだけ重症の患者さんが歩いて帰ってくれる。

給料は安いけれど、やりがいはあるよ。

出口が大通りに面しているので、車が混雑する

心エコーで心機能を評価するというのは、ちょうどマクドナルドの店の中に入って、あれこれ観察するようなものだ。店の中にいれば、店のことは全部分かる。誰が責任者なのか、誰が律速段階になっているのか。ところが、店の中で見ていても、店の外の原因、例…

会計係が適当で、客が出て行けない

料理を作るのが遅い

受付がトロい

道が狭くて入りにくい

客(車)の数が多い

自然というエンジニアのやりかた

>**なぜコードを最適化するのですか?** >**「……そこにコードがあるから。」** ##エンジニアは常に最適な設計を目指す エンジニアは、たとえ見返りが無くても最適解を目指す。このモチベーションこそが、人間社会をここまで繁栄させた原動力だ。一方、自然界…

魔法使いの弟子

##魔術は「場」の力を借りる技術 一人でできることというのは限られる。重症の患者さんの治療。何か特別な治療手技。医療に限らずどんな業界でも、大きなことをやろうと思ったら他の人の助けがいる。人は集まって「場」を作る。数人の集団から、病院や会社な…

原油流出は環境によくない

思考停止状態になった集団意識は、容易に暴走する。この写真の持つメッセージに当時の政治状況を加えることで、一羽の水鳥の写真は米軍をイラクに侵攻させる原動力になった。漠然としたイメージを用いた世論誘導の方法は、ますます巧妙になり、またその結果…

動物虐待はかわいそう

組織崩壊までの4段階(再掲)

社会にはいろいろな組織がある。病院や会社といった組織。「内科」「医療界」といった、いくつもの施設が集まった、さらに大きな組織。どんな組織にも創業者たる代表がいて、その人、あるいはその組織の求心力に引き寄せられて人が集まり、組織を作る。病院…

第三のシステムを作るには、第一、第二のシステムを作る以外の方法は無い。

開拓者組織が崩壊しても、そこにはリーダー達が作った「ニッチ」が残っている。恐竜時代、恐竜たちは巨大な生態系を作ったが、その進化の過程で絶滅した。それでも、世界はそのまま残っている。恐竜の作ったニッチには、すばやく賢い哺乳類が生まれ、また新…

第二のシステムの重さに皆が嫌になった頃、**第三のシステム**が現れる。この頃には、最初の開発グループはもういない。第一のシステムのコンセプトは常識になり、しかも開発者には十分な開発期間があるので、第三のシステムは再びリソースを消費せず、すばやく動くシステムとなり、理想的なシステムとなる。

第一のシステムの成功に触発され、**第二のシステム**が作られる。「第二のシステム」は多くの人の心をとらえ、商業的に成功するが、最悪のシステムである。第一のシステムの成功に乗り遅れた「専門家」が、自らのコードや考えを組み込もうとするため開発グループは肥大化し、それとともに機能も肥大化する。それとともに第二のシステムはリソースを消費し、ゆっくりとしか動かなくなる。

**第一のシステム**は、小さなグループが創造力を駆使して短期間で作り上げ、柔軟性に欠け機能は限定されているが、標準的なシステムよりも性能が良く、無駄なくすばやく動く。

「裏切るとこの組織から放り出すぞ」

名声の段階も末期に差しかかると、組織は恐怖を用いることで、求心力を保とうとする。「その組織にいる名誉」がなくなり、「組織から放り出される恐怖」が、もはやモチベーションになりえなくなったとき、組織は崩壊の次の段階に進む。##お金の時代 創業者の…

「訴訟されると人生が終わる」

この会社も、将来へのステップアップを考える時期です

こうした意見に違和感を訴える初期メンバーは、「専門知識も無いのに反対だけする奴」として批判される。「**非専門家**」と名指しされた初期メンバーの中には、組織を離れるものが出始める。創業当時のメンバーがいなくなっても、組織自体はまだまだ大きく…