2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧
専門医を目指すのは楽しいのだろうか?
育った分化の違う医者同士の会合というのは、ヤクザの出入りと同じだ。 なめられたら負け。負けると疲れる。こちらは相手にお願いするほうだから、「勝つ」ことは許されない。 だからぶつかると絶対に疲れる。ぶつからないようにするためには、自分が紹介する …
なんだかんだいわれても、病院の中には医者がいないと病院は機能しない。 医者がいなくなって、病院が機能しなくなっても中には患者さんがいる。 「医者がいなくなりました。退院してください」は許されないので、 何かあるたびに、よくこういう病院へ応援に飛…
どこの病院にいっても、院長級の医師というのは研修医の陰口のターゲットだ。 本当は、そんなわけが無い。相手は専門を極めたベテランなんだから。 でも、病院長が手術に入ったの、3年前が最後なのも事実。賞賛が無いままに仕事を続けるのはいやだ。満足感と…
気がついて、泣きそうになりながら勉強を始める7年目。勉強のモチベーションというのは、「あいつは使える」という周囲からの賞賛だった。患者さんをよくしたいとか、医学の進歩のためとか、そういったお題目はどうでもよかった。 結果としてそうなることはあ…
言葉の与える印象は大事だ。子供の頃から言葉だけは厳しくしつけられたから、人前で猫をかぶるのだけは上手だ。生まれた頃から、デフォルトは「ですます」調。一人称は「私」。学生の頃はそれでは弱いから、 一人称は「俺」。言葉ももっと乱暴なものに改めた。卒業…
前者の人は、ただ「正常になった」だけでは納得しない。過程を重視するし、数字を残すことにこだわる。 後者の人は、たとえばHbA1Cなどどうでもよく、今までどおりお酒が飲めるかどうかにしか興味がない。2種類の人に、2種類の方法。けっこう上手くいきそうな…
こちらの人については、この方法だけだとまだ足りない印象を持っている。何を言っても守ってくれない人は守ってくれない。それでも、通院を続けてくれるだけ、まだかろうじて絆は残ってる。##マーケティングの上流と下流 ちょっと前、サントリーの「ボス」とい…
データが良くなったこと。病気が「治った」方向へ向かっているのは偶然ではなく、 いろいろなことが想定内で進んでいるのだということを明示的に会話を進めると、けっこううまくいく。##コーラを飲む糖尿病患者 ジュースを控えてくださいといわれて、ソーダや…
言葉の気遣い。ていねいな態度と、**ついでに**正しい医学の知識。ここまでやってやっと必要条件。 十分条件にはまだまだ足りない。怪しげなサプリメントに大金をつぎ込む人。 「ジュースは控えてください」と注意すると、コーラをがぶ飲みして血糖値を上げて…
世界は変わる。社会も変わる。小さな世界は大きくなった。かつては世界の主役であった「近所同士の強い絆」は、 「遠くの人との弱い絆」にその座を奪われ、舞台の片隅に追いやられた。##過去は内包される 進化の過程においては、過去は捨て去られるものではなく…
個々のノードは強力なクラスターを形成している一方、 各々のクラスター同士は、何人かのコネクターの持つ弱い絆で結ばれている。 こうして出来上がったネットワークは、 クラスターネットワークのように強靭で、ランダムネットワークのようにすばやい情報伝…
地蔵に注意を払うことが少なくなった気がする。本学の裏の交差点には、昔から交通安全祈願のお地蔵さんが立っている。数年前、どこかのバカが地蔵の首を蹴り飛ばしてから何度か修復されたが、 そのたびに「首なし地蔵」が交差点を見おろす(目が無いけど…)こと…
##大学の救急外来はヒマだった 久しぶりの正月救急当直。今年は忙しかった。忙しかったことが、逆に意外だった。大学病院で、救急外来を熱心にやっているところは少ない。大きすぎる組織。専門分化した医局。莫大な予算規模や、「大学」という看板。こうしたも…
各人はその理念を状況に応じて解釈するので、変更されることは少ない。 戒律系のチーム**は、罰則を守る見返りが必要なので、 人を集めるのにコストがかかる。罰則を施行するのはリーダーなので、 リーダーと部下との通信のコストがチームの大きさの上限を作…
状況が変わるたびに新しい戒律は増え、そぐわなくなった戒律は消える。