与えられた条件の中から、自分に出来る最適解を提出できる人

両方とも兼ね備えた専門家もいるが、どちらか一方を持っている人は結構いる。

どちらの技能がより現場から要求されているのか、もちろん状況により異なるが、より「潰し」が利くのは後者の能力だ。こうした能力を持った専門家というのは、チームで仕事をするには欠かせないだろう。

##水と油を混ぜるには
水と油とは、決して混ざらないもののたとえとしてよく使われる。

この2種類を何も使わないで「混ぜる」には、両者を凍らせて、分子の可動性を無くして、「粉」にしてしまい、物量的に混ぜてしまえばよい。出来上がるのは冷たい粉の山であり、どの粉が水で、どの粉が油なんだかも良く分からない。だが、とりあえずは水と油は混ざっている。

温度が高くなってくると、この粉の山は溶け始める。分子は動き始め、水は水の、油は油の「**専門性**」を主張し始め、ついには分離してしまう。

医療の現場で水と油といえば、医者と患者との関係だ。

医療の予算もマンパワーも冷え切っていた頃、医者と患者という2種類の「粒子」は、雑多な粉の山のようなものだった。風でも吹けば飛んでしまうような山ではあっても、粉山はそれなりにまとまっていた。

景気が良くなり、暖かくなって粉の山が溶け始めると、お互いの粒子はその「専門性」を発揮しはじめる。