大学院の卒業式。大きな式典が行われたのは過去の話。今は講堂の片隅で、

みんな私服でちょっと集まるだけ。

面倒な手続きはなくなったけれど、それとともにみんなの大学への帰属意識もなくなった。

誰もが自分の大学を悪く言うようになった。他人の庭は青いとばかりに、民間の病院を賛美しはじめた。

中傷が支配する世界では、大学のマンパワーの多さは不利に働く。

悪口の量は、その施設を知っている人数に比例する。
1学年が50人近くいる大学研修医と、10人に満たない民間病院。
どちらが悪くいわれるのかは自明だ。

秘儀は失われ、
大学当局は沈黙を続け、事態はますます悪くなった。

##隠す戦略から見せる戦略へ
解決策は、全てを「見せる」ことだと思う。

秘匿されることによって価値は増すけれど、
それは同時に憶測を呼び、中傷を生んでしまう。

全てをオープンにする戦略は、ものの価値をそのままさらけ出す。

見せる戦略が有効に機能する条件は2つ。