ネットワークコミュニティは距離の問題を超越したけれど、参加するのに理由がいるから、

その理由が無くなればコミュニティを維持する理由がなくなってしまう

WEB 2.0 という言葉がささやかれるようになって久しいけれど、
誰もが自由に参加できて、毎日のように変化するのが前提の成長するコミュニティというこの
概念は、「失われた故郷」問題に対するひとつの回答になるかもしれない。

##3つの社会を行き来する子供
毎日、原野の中に出現した「若者の町」を出発した小学生は、けっこう長い道を歩いて
「年寄りの町」の中心にある小学校へと登校している。

街の合併を繰り返して、地方は「老人の町」と「若者の町」の区別がよりはっきりとしつつある。

2つの世代の大人の街を結びつける子供達。

世代の対立というものは、そのままそれぞれの世代が提案する「理想のコミュニティ」の
プランの対立でもある。

休日には家族で遠いところへ出かける一方、情操教育の一環とやらで
リタイアした高齢者が「昔ながらの遊びかた」を教える図なんていうのは、
子供を真中にはさんだ世代間戦争の図式そのもので、とても面白い。

今の子供は、みんな携帯電話を持っていて、遠くの友達とのメールの交換なんか当たり前。

新旧の大人たちが提示するコミュニティのプラン、そして成長を続ける
ネットワーク社会。

これら3つの社会を毎日行き来している今の子供達の「故郷」というのは、
どんな姿をしているのだろう?