twitters for the day

10:55 フランスのテレビ番組「シューティングゲームの歴史」の中で、プレイヤーの人が「弾幕を介して、開発者の人とコミュニケーションしている気分になる」なんて喋ってた。チェス名人を思い出した *Tw*
10:56 ディープブルーと対戦したロシアのチェスチャンピオンは、「相手は機械なのに、まるで異質な知性と対決しているようだった」と感想を漏らした。弾幕とチェス、表情もなければ言葉も喋らない。でもそこに、コミュニケーションがある。 *Tw*
10:57 自閉症の人は、しばしば十分な知性を持っているにもかかわらず、「空気を読む」とか「相手の感情を読む」のがすごく苦手なんだという。自閉症の動物行動学者の人がいて、人間の感情は分からないのに、動物がどうしてそんな行動をするのかはよく分かるんだという *Tw*
10:57 その人は、実際に動物を安心させる道具を設計したりして、自分の観察を実証してるから、少なくとも知的であって、たぶん言葉に嘘もない。 *Tw*
10:58 恐らくはたぶん、感情というものは、相手を観察した当人の頭の中に発生するものであって、相手が人間であったり、ましてや知性や感情を備えている必要もない *Tw*
10:59 チューリングテストに勝とうと思ったら、コンピューターを鍛えるやりかたはたぶん間違っている。むしろ、観察者を「ハック」して、その人が相手に感情を見出すときの行動セットを読み出して、それを再現すればいいはず *Tw*
11:01 コミュニケーションにとって、言葉や表情、顔グラフィックなどは「あると便利」なものであっても、必須なものではないんだと思う。最後に残るのは、お互いシグナルを交換することと、恐らくはフィードバックの時定数に相当するもの *Tw*
11:02 シグナルは何でもいいはず。「良し」「ダメ」の 2 ボタンシグナルと、弾幕やら動きの変化という、 AI の反応と。それが決定論的な変化をしても、単なる機械の操作だし、これがランダムな反応になってしまうと、ボタンを押す意味がなくなる *Tw*
11:03 人間側がシグナルを発信して、一定の時定数を持ってから、機械がフィードバックを返す。それを読んで、人間が再びシグナルを発信して、また遅延を介して、フィードバックが返ってくる。遅延している間も、周囲の環境はどんどん変わる *Tw*
11:04 動物の動作は、脳が全てを制御しているのではなくて、周囲の環境変化と、身体が持つ情報構造との相互作用を通じて創発される。 *Tw*
11:05 コミュニケーションもまた、シグナルのやりとり、介在する時定数、さらに時間ごとに変化する周囲の環境とが相互作用を生じて、予測不可能な「創発」が生じることが、本体なんだと思う *Tw*
11:06 恋愛シューティングなんてギミック作るなら、顔グラフィックや言葉みたいな要素は全く入れないで、動作と弾幕だけで感情を表現したほうが、嵌る人は嵌る。その代わり、敷居は上がる *Tw*
11:08 ソニーが出した、動き回る音楽ロボットに対する感想をさらってたとき、 Lain 作った人が、「あれには顔をつけるか、少なくとも顔を連想する何かをつけるべきだった」なんて感想を書いてた *Tw*
11:08 目や口は、コミュニケーションの本質ではないけれど、恐らくそんな記号を介して、人間は「これはコミュニケーションを行うものなんだ」という思考セットを引っ張り出す。 *Tw*
11:11 取っ掛かり要素を完全に排除したほうが、異文化コミュニケーションとしては面白いけれど、難しいかもしれない。スタートレックには、ただの円柱にしか見えない宇宙人が出てきたけれど、実際にそんなのいたら、下手すると通り過ぎてしまうかもしれない *Tw*
11:13 @m_um_u 本当はこういうのは理論じゃなくて、とりあえず作って、体験してみるのが一番なんでしょうね。。東大でロボット作ってる人達も、「まず作って、それから考える」なんて言ってましたし *Tw*
11:15 ロボットを通じて人間を考える学問は、とりあえず作ってしまうと、ある体験セットに、観察者を否応なしに引きずり込んでしまうんだと言う。科学的かどうかとか、それはバイアスなんじゃないのかとか、そんな議論抜きに、まず体験に引きずり込んで、それからその体験を考える *Tw*
11:16 ロボット工学は、だからどうしても暴力的なものを内包していて、理論を積み重ねる学問とは、方向がちょっと違う。ゲームというものも、コミュニケーションを考えるときに、強力な方法論になり得る *Tw*
11:17 心理学者があれこれ偉そうな理屈コネ回す前に、ゲームはじめた人が 1 時間で廃人になるような体験できるゲームのコントローラー握らせれば、心理学者は理論を捨てて、ゲームを続けざるを得なくなる *Tw*
11:18 ゲームが書けるということは、「学問的な」理屈を重ねる人を一撃で吹き飛ばしてしまうような、そんな暴力的な力として機能する可能性がある。すごく面白く感じる。 *Tw*
12:05 アイドルマスターみたいな方向の先に、コミュニケーションは来ない気がする。形態素解析完璧になって、プレイヤーが自分の言葉で喋れるようになってもなお、相手に感情を見出すのは難しい *Tw*
12:07 逆に、技術をあそこまで高度にしなくても、今ある技術を使いまわして、コミュニケーション要素を実装するやりかたは、たぶんある。少ないけれど、チェスや将棋のゲームに人格を見出せる人もいるわけだから、あの方向を一般化するやりかたのほうが、先が見えるような *Tw*
12:08 大事な要素の一つが、たぶん状況設定。スタンフォード監獄実験みたいに、環境と、役割さえ与えられれば、人間はいくらだって卑屈になれるし、残忍になれる。マインドセット引っ張り出す状況設定さえ適切なら、チェスのグランドマスターでなくても、機械に感情を見出せるはず *Tw*
12:09 ディープブルーは、一つの解答ではあっても、あれを素人が見たところで、大掛かりなチェスマシンにしか見えない。あの中に感情見出せるのは、よっぽどチェスが上手な人でないと無理だと思う。町のチャンピオンクラスだと、もしかしたら「やっぱり機械は強いですね」で終わるかも *Tw*
12:10 グランドマスターと一般人とを分けているのは、やっぱり環境要素。チェスをやるという行為が、人類代表のグランドマスターと、ただのゲームとしかとらえられないその他大勢では、本気度がまるで違う *Tw*
12:11 誰もが「本気」に引きずり込まれる状況設定をちゃんと作れると、感情を創発するのはそれだけ楽になる。ドーム型の没入ディスプレイの中にプレイヤーを置けると、かなり容易に、感情を持った機械を創発できるはず *Tw*
12:21 @acquo あれ、未だにどこだか分からないんですよね。。伊豆のほうにある老健だとか聞いたことあるんですが、実際あれ作ると、壁の面積莫大になって、ものすごくお金かかりそうですし *Tw*
12:31 弾幕を利用した「情動記述言語」なんてものが実装できたら、シルバーガンリメイクしてほしい。最終面、「石」の言葉を言葉じゃなくて弾幕で表現できれば。「わたしのこと、愛してる?」 *Tw*
12:34 @shibata616 錯覚を誘発するのは大切なのかも。感情とか、意識みたいなものまで含め、全て「錯覚」と言い切る脳科学者も多いですし *Tw*
12:35 情動記述において「錯覚」は、とても大切なキーワード。会話とか、実世界とか、「日常」にフックする状況は、錯覚をおこしにくくする *Tw*
12:36 人類の運命背負ったセカイ系の状況設定とか、周辺視野まで乗っ取った没入ディスプレイとか、会話や顔グラフィックを介さないシグナル交換というものは、全て「錯覚を誘発する」ベクトルに乗っかる何か *Tw*
12:45 知性を感じさせる、チューリングテストに合格する機械を作るときには、だから「機械の性能を上げる」やりかたと、「知性を感覚する閾値を下げる」やりかたとがあって、後者には、案外可能性がありそうな気がする *Tw*
12:46 コンピューターパワーをこれ以上上げたところで、それがコンピューターの形をしていて、「コンピューター」という概念が人類にとって既知になってしまった以上、チューリング試験は絶対勝てないと思う *Tw*
12:47 @marco11 ちなみに私はド素人です。。ゲームのことも含めて、ほとんど全部妄想。ゲームセンターにいってたのも 10 年ぐらい前まで。家庭用のゲームももってない。 *Tw*
13:15 「錯覚閾値」という言葉で見直すと面白い。知能高い自閉症の人は、錯覚閾値が高すぎるから感情読めない。音は本来「耳」が知覚するものであって、「それが鳴っている」という知覚はすでに錯覚。視覚も同じはず。認識というのはだから、錯覚と同義の概念 *Tw*
13:17 不随意運動と叫びを繰り返すだけの寝たきり老人は、もはやコミュニケーションとれない。犬猫とコミュニケーションとる人はたくさんいる。犬猫が、あるいは人の形してたら、コミュニケーション難しいかもしれない。「かわいらしさ」というのはギャップに属するパラメーター。これも錯覚閾値を変 ...
13:18 ディープブルーと対戦したグランドマスターは、本人がそう望んでいなくても、勝手に「人類代表」の状況を押し付けられた。たぶん錯覚閾値は大きく下がったはず。ディープブルーがすごかったんじゃなくて、そういう状況が知性を錯覚させた *Tw*
14:09 @shibata616 ユーザーに向かって話し掛ける人工無脳があんまり上手く行かなくて、画面の中でかけあいを延々と続けるタイプが大成功したのも、知性の感じやすさで説明できそうな。。 *Tw*
14:13 ホンダのロボット「アシモ」にしても、今の子供に見せれば 10 人が 10 人、「よくできたロボット」と思うだろうけれど、 1800 年代の人に同じ物見せたら、間違いなく知的生命体だと思うだろうし *Tw*
14:14 セガの「シーマン」なんかは、そもそもファミリーコンピューターがない昔なら、チューリングテスト通った気がする *Tw*
14:15 人工無脳にキャラクターを立てるやりかたというのも、あれはアイコンを通じてリアルさを引っ張ってるんではなくて、バックグラウンドで行われていることを隠蔽して、錯覚閾値を下げる方向に作用している *Tw*
14:18 @shibata616 全面同意。裏返せばたぶん、技術レベルは今のままでも、知性を見つけやすい構造を実装できれば、いろいろ面白いことができそう。 *Tw*
14:34 @shibata616 平田オリザの演劇論にそんな話が。美術館を舞台にするとき、役者に「やっぱり美術館はいいなー」と説明させる台本は最低なんだとか *Tw*
14:36 オリザは「遠いたとえ」という言葉を使ってた。美術館表現したいなら、役者に舞台を黙って歩かせて、しばらくしてから「この絵…」とか、ごく小さく呟かせる。「ここは美術館」と絶叫させるんじゃなくて、観客に美術館を発見してもらう *Tw*
14:37 観客が、自分の力で美術館を発見して、初めて舞台は「ここは美術館」ということを前提に、物語を転がしはじめる。脚本書く人は、そこまで想像して書かないといけないらしい *Tw*
14:39 タイタンの幼女みたいに、「私はここにいます」「あなたがそこにいてよかった」という 2 つのシグナル交換するだけの存在であっても、舞台設定と、シグナル交換の時定数さえ適切に設定できれば、たぶん観測者の心の内に、知性が創発する *Tw*
14:43 逆説的だけれど、すごい技術で喋らせるよりも、「すごい技術が使われています」とアナウンスして、デスクトップ画面の中を犬か何かのアイコンが、ランダムにのたくた動くだけのほうが、知性を発見する人多い気がする。プログラムに詳しい、心が汚れた人には見えない知性。 *Tw*
14:44 それは騙しでしかないんだけれど、上手に騙す方向と、実際すごいもの実装する方向と、両方やらないと、知性は発見されないんだと思う *Tw*
14:47 観客を想定しない、知性単独というのは、だからそもそも存在しないし、想定しちゃいけない。「誰の心に知性を見出させたいのか」を考えながら実装しないと上手くいかないし、誰かがすごいと思った AI であっても、文化を共有しない別の誰かから見れば、ただの玩具にしか見えないかもしれな ...
14:49 演劇作家はだから、全ての観客を自分の空間に引きずり込まないと舞台ぶち壊されるから、そのへんものすごく気を使うらしい。様々な人を対象に、人工知能に知的さを見出してもらうためには、たぶんそうした演出的要素は外せない *Tw*
15:54 人間らしく弾避けするアルゴリズムは、研究室のパソコン上でなら「画像認識できる ? 」なんて突っ込まれるけれど、オンラインの対戦シューティングにデビューさせれば、「日本にすごい奴がいる」と認識される。 *Tw*
15:56 未知のアルゴリズムが状況に投影されて、初めて知性が感覚される。人工知能の研究者は、自らアルゴリズムを記述するから、宿命的に知性を感覚し得ない気がする *Tw*
16:00 全部書くのが記号主義で、振る舞いから創発する何かと、中枢レベルの判断をどうくっつけるのか、を考えるのが接続主義 ? という理解で大筋あってます ? 初めて聞く言葉。。 *Tw*
16:02 東京大学 知能機械情報学の國吉康夫先生みたいなロボット工学の人達が提唱している「身体が持つ情報構造」みたいな考えかたは、アルゴリズムの中に実装するやりかたとかあるんでしょうか。。。 *Tw*
16:04 起き上がるロボットとか、ジャンプするロボットなんかを「人間らしく」作ろうとすると、関節の構造を曖昧にして、中枢レベルの制御も曖昧にして、確率論的な成功狙うと、動作がすごく人間臭くなるとか、そんな考えかた *Tw*
16:04 「らしさ」を制御をつき詰めて作るのではなくて、構造から創発させるような *Tw*
16:05 @Sinfaxi たしかに。「脳があって身体のない生物は存在しない」 *Tw*
16:07 ロボット工学の人達が「人間っぽいロボット」を作るときは、人間にしか見えないロボットの構造まで含めて実装できるから、純粋なアルゴリズム研究者に比べて圧倒的に有利なのかも *Tw*
16:08 彼らは要するに、自らもアルゴリズムに無自覚でいながら、ロボットが知的に見える状況は、自由に実装できるから。アルゴリズムに自覚的であることを強要されて、状況設定は観客任せにしかできないアルゴリズムの専門家に比べると、反則に近いぐらいに有利な立場 *Tw*
16:09 言わないだろうけれど、彼らロボットの人達が「ほらみろ。制御適当でも、このロボットの動きは人間にしか見えないだろう ? 」。反駁するのけっこう大変だと思う。 *Tw*
16:10 創発するとかアフォードするとか、言葉に窮したら「それは要するに…オートポイエーシス ? 」とか逃げるのは、世渡りの戦略として。 *Tw*
16:13 @Sinfaxi アフォーダンスとか創発といった言葉は、何というか制御の責任を相手にブン投げるところがあって、何も言ってないのに何かありそうな雰囲気まとうのにものすごく便利だったり。。商売柄、逃げ道残しとくのは本能みたいなもの *Tw*
16:16 病棟行ってくる *Tw*
19:31 観測者の誤解を必要としない、「力づくの知性」というものは存在し得ない。知性は錯覚と不可分な存在
19:32 アルゴリズムが存在して、それが状況に投影されて、さらに観測者により錯覚されて、初めて知性が認識される。錯覚という感覚を惹起するには、さらに錯覚を誘導する記号を、知性を発揮する何かが備えていないといけない
19:34 錯覚を誘導するものというのは、具体的には「顔」の存在。知覚を向けるための、標的となるような場所。散漫な感覚を要求するアルゴリズムは、そもそも知性として認識されない
19:43 @clala_garden もののけの妖精が、顔に4つの穴あいてたり、ハスの花みたいに顔中つぶつぶだったら、単なるホラー映画。。
21:12 シャトルのロボットアームスペシャリスト、若田さんと土井さんは、要するにUFOキャチャーの訓練を 3 年修行したんだと考えると、ちょっと哀しくなる *Tw*