皮膚消毒にはクロルヘキシジンとイソジンの併用が有効?

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Combined skin disinfection with chlorhexidine/propanol and aqueous povidone-iodine reduces bacterial colonisation of central venous catheters

CVライン挿入時などの皮膚の消毒には、クロルヘキシジンのほうがポピドンヨード、アルコールに比べてより有効であるという報告がいくつかある。これはクロルヘキシジンのほうが、ほかの薬剤に比べてグラム陽性球菌に対する殺菌力がより強力だかららしいのだが、この論文では両者を併用したほうがより感染の頻度が減ったと報告している。

筆者らは140回CVラインを挿入した際、その皮膚消毒にクロルヘキジン単独、ポピドンヨード単独、両者を1分ずつ併用の3種類の消毒法を試み、カテを抜去後の培養で菌が生える頻度を比較している。

結果、消毒薬をどちらか1種類ずつ用いた際には従来どおりクロルヘキシジンのほうが感染頻度は少ない傾向にあったが、消毒時間の合計(2分間)を一致させても、どちらか片方の消毒薬よりはクロルヘキシジンとポピドンヨードとを併用したほうがより感染頻度が少なかったという(平均感染率20%に対して、消毒薬併用で感染率4.7%)。

カテーテル感染症の原因には皮膚からの細菌の進入以外に三方活栓からの細菌の進入が挙げられており、個人的にはそちらのほうの関与が大きいのではないかと考えていた。

皮膚の汚染が十分に除去されているならば、消毒という行為自体が無意味という意見を読んだこともあり、そうした意見にも結構説得力を感じていたが、やはり清潔操作の前には手洗いと消毒はまじめにやったほうがいいなあと感じた次第。カテ屋をやっていると、そのあたりは意外にいいかげんなので。手技時間が十分に短いならばそれでも大丈夫なのだろうが、自分にはそこまでの腕はない。