Expression

発表のスライドなどを直前に作るとき、結構問題になるのが、温度板や経過表といったもの。
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こんなのとか
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こんなやつ(出典:NEJM Volume 352:2508-2514 June 16, 2005 Number 24)。

患者さんの臨床データを、まじめにエクセルなどに記録していれば、何も悩まずにグラフ化すればいいのだが、忙しいさなかではなかなかそうも行かない。

PowerPointにも図表作成機能はあるのだが、なにぶんデータを数字で入力してくれないと、グラフを作ってくれないのはエクセルと同じ。

「なんとなくそれらしいものを、短時間で作る」とき、お絵かき系のソフトでグラフをでっち上げてしまうと簡単にいく。もちろん数字は適当になるが、どうせ発表スライドなど、まじめに見る人など少ないだろう。

絵を書くソフト(ドローソフト)というのは、代表的なものでAdobe IllustratorCorel DRAW といったものがあるのだが、どれも8万円近くと非常に高価。最近は、フリーのドローソフトで dynamic draw というものがあり、これもかなり高機能なのだが市販品にはさすがに負ける(とは言っても、普通に絵を書くにはこれでも使い切れないほどの機能がついてくる)。

最近になり、昔市販されていたExpression というドローソフトがバージョン3になり、さらにマイクロソフトに買収されてフリーウェアになった。以下、ダウンロードのしかたと日本語化のしかた。

今は英語版しかない(昔は日本語版を売っていた)ため、Windows上で使うには、いくつかの細工が必要。もともとが市販されていたソフトだけあり、実際に使ってみると十分に実用になる。苦労してダウンロードするだけの価値はあると思う。

インストール用ファイルのダウンロード

マイクロソフトのダウンロードセンターからExpression3のファイルをダウンロードしてくる。表から入ると登録が必要だが、リンク先は直リンになっている。  

メニューの日本語化に必要なファイル

CreatureHouseのサイトから、Expression3Jのアップデータをダウンロードしてくる。このアップデータを解凍すると、中に「localizeJ.txt」というファイルがある。これを用いて、メニューを日本語化する。

ヘルプファイルとマニュアル

販売中止になったソフトなので、日本語のマニュアルが存在しない(本があるが、バージョン2対応のもの)。このため、インターネットアーカイブから販売元のサイトにいき、古い体験版をダウンロードしてくる。

他に必要なソフト

exeファイルを書き換える必要があるので、バイナリエディタが必要。代表的なバイナリエディタとしては、とか、スターリングとか、PowerWitchとか。自分は昔から狐を愛用(シンプルなので)。ソフトにパッチを当てるのに特化していたものに、ホワイトボックスとか、FireFlowerなどがあったが、もう手に入らない。

ヘルプファイルを体験版から引っ張り出してくるのに、WinPackというソフトを使う。これはInstallShieldを部分的に解凍して、中にあるファイルを取り出すソフトで、これを用いて日本語の体験版からヘルプファイルだけ抜き出してくる。

インストールのしかた

1.本体のインストール
"CreatureHouseExpression3_3.exe" をダブルクリックするだけ。 普通にインストールすれば問題ない。

2.ファイルの書き換え
このままでは起動すらしないので、まずはファイルを書き換える。

バイナリエディタを用いて、インストール先のフォルダ内のe3.exeというファイルを書き換える。0036170E という番地の、75という記載をEBと書き換えるだけ。ホワイトボックス用のBCG型式では、以下のとおり。

file e3.exe
0036170E: 75 EB
これでとりあえず、英語版のExpressionが立ち上がるようになる。

3.メニューやダイアログの日本語化
製品版Expressionのアップデーター "E3JWinUp342.zip" を解凍する。中に"localizeJ.txt"というファイルがあるので、これを"e3.exe" と同じフォルダにコピーする。これだけでメニューが日本語化する。

E3JWinUp342.zip内の、他のファイルは要らない。

4.ヘルプファイルの抽出
インターネットアーカイブからダウンロードしてきた日本語体験版のZipファイルを解凍、その中のdata1.cabというファイルをWinPackで展開する。中に 日本語ユーザーズガイド e3.pdf、チュートリアルe3tutorial.pdfという2つのPDFファイルがあるので、それを取り出す。あとのファイルは不要。

取り出したヘルプファイルは、本体のあるフォルダにコピーしておく(英語版のPDFを上書きしてしまう)と、ヘルプを開いたときに日本語のヘルプファイルが立ちあがるようになる。

参考サイト
2ちゃんねるのExpressionのフォーラム

Expression3覚書/妄碌庵