原油流出は環境によくない

思考停止状態になった集団意識は、容易に暴走する。この写真の持つメッセージに当時の政治状況を加えることで、一羽の水鳥の写真は米軍をイラクに侵攻させる原動力になった。

漠然としたイメージを用いた世論誘導の方法は、ますます巧妙になり、またその結果も制御可能なものになってきている。

##未来はどこに行くのか
ところで、目的と、それを実現する力とを同居させた人間には、昔から何らかの罰則規定が加えられるのが物語の約束事だ。その目的の善悪には関係なく、力と願望とを両方持った人間は、何らかの形で滅ぼされる。

>自分のもつ力に奢ることなく、ただただ宇宙全体の平和だけをを望んだ
>[シスの皇帝](http://homepage.mac.com/darth_sidious/home.html)パルパティーンですら、最後は「正義」を自称する緑のトカゲとその手下に謀殺されてしまった。

世界を自由に操る力を手にした広告代理店は、いずれ滅ぼされるのだろうか?

たぶん、彼らの立場は安泰だ。広告代理店は、魔法から得られるお金に興味はあっても、その魔法が生み出す結果には興味はない。もしも広告代理店が世界に何かを望むとすれば、彼らが志向するのは**穏やかな混乱が永遠に持続する**社会だ。

誰かが世界を統一した、平和な世の中ぐらい広告代理店にとって退屈な世界はない。誰もが満ち足りて穏やかに暮らす世の中で、コマーシャルを夢中になってみる奴などいるわけが無い。

真偽の定かでない物語が世界を無数に駆け巡り、誰もが複数の情報ソースを持つのが当たり前になる近未来、「**擦り傷以上、死亡以下**」の制御された争いが常に続く社会というのは、広告業者にとって住み心地のいい社会、多様性と調和との平衡状態がずっと続く社会だ。

そういう社会は、結構幸せな社会かもしれない。少なくとも、「世界政府が統治する、争いも競争もない世界」なんかよりはよほど健全で、面白い世界だろう。