識別性に優れた漢字とひらがなは、頭に情報として格納されるスピードが速い。

日本人は九九を覚える。だから計算が速い。

同様に、漢字を中心にした言語を持つ人たちは、漢字の意味を大量に記憶しているから、文章理解のスピードが速い。

小学校の頃に泣かされた、膨大な量の漢字の暗記というものは、日本語という文字メディアに、斜め読みに対応した概念ツールとでもいうべきものを与えくれたのかもしれない。

英語には、そうした斜め読みに相当する技術や、文章をの大雑把な内容を把握する「概念ツール」に相当するものが無いか、一般的ではないらしい。英語はわずかなアルファベットの組み合わせだ。単語の意味を理解するには、この組み合わせが何を意味するのか、一回一回「計算」しないと答えが出ない。

漢字圏の単語は、組み合わせの数も少ないし、それもまた「熟語」で記憶されている。文字の形と記憶が一対一対応だから、計算の負荷は少ない。

##進化した文章とはどういうものか