降圧薬を開始するときは「まずは、一般的な量の半分ぐらいから始めてみましょう」と、多数派に比べて少ないことを強調する

こちらの人については、この方法だけだとまだ足りない印象を持っている。何を言っても守ってくれない人は守ってくれない。それでも、通院を続けてくれるだけ、まだかろうじて絆は残ってる。

##マーケティングの上流と下流
ちょっと前、サントリーの「ボス」という缶コーヒーのコマーシャルが話題になった。

もともとは、おしゃれなCMで売っていたブランド。矢沢永吉が「最近、バカが多くて疲れませんか?」とやっていたのは
たしかこのコーヒーのCM(注:間違いでした)だった。

「バカが多くて…」の意味しているのは、「ボスを飲んでいるあなたは、**当然バカじゃありませんよね?**」というメッセージで、
この頃のCMは、ターゲットを上昇志向の強い中流に絞っていた。

最近は、この「ボス」のCMのターゲットが変わったのだという。

>自動販売機でボスが100円で売られていた。九州限定で販売されている100円ボスは、
普通の190g缶よりちょっと小さめで170gだった。
>ふと思った。サントリーは缶コーヒーという飲み物に見切りをつけたのではないだろうか、と。
>(中略)いまだに缶コーヒーを飲んでいる人は、健康意識も低くオシャレでもなくグルメでもない、金銭的にもあまり裕福ではない、社会的に下流の人間だ・・・サントリーはそう判断したような気がする。

>まず広告。ボスの広告といえば、いつもアイディアを凝らした若々しくオシャレなCMで話題になったものだけれど、今年のボスはなにか違う。タモリを使った古臭いセンスのCMで、これまでの斬新さがまるでない。でも、下流の人間に合わせた分かりやすいベタな表現に敢えてした、ということなら理解できる。
>次にキャンペーン。これまでボスジャンとかボス電とか、プレミアム感のある景品をボスは提供してきたイメージが強いのに、今年は総額2億円が当たるという即物的なギャンブル企画だ。これもギャンブル好きな低所得層を意識的に狙っているふしがある。
>[インサイター:サントリーのコーヒー戦略に見る「下流マーケティング」](http://blog.livedoor.jp/insighter/archives/50149561.html)より引用

世の中を上流、中流下流に分けると、下4割は「下流」に分類されるという。

コマーシャルというのは、お客を持ち上げてなんぼ。自分のお客さんの中に、
上流の客と下流の客がいて、それぞれに戦略を変えていこうというのは、
サービス業に従事する人間としては非常な抵抗がある。

少なくとも、その意図が「下流」と分類された
お客さんにばれたとき、大変なリスクがあるような気がする。

##「下流の患者」は存在するのか?
医者がこんなことを考え始めると、もうお互いの信頼関係なんかあったもんじゃない。

それでも、人に合わせて複数のマーケティング手段を使い分けるという考えかたは
魅力的だ。少なくとも、全ての人に同じ態度で対面していると、上手くいかないケースはけっこう多い。