マッチメイカーとしての国の責任

プロレスには仕掛け――アングルがある。

これは決して八百長などではなく、リングのファンタジスタであるプロレスラーの
持ち味を最大限に演出するためには欠かせない物語だ。

マッチメイカーは、プロレスの世界観とか、試合前の選手同士の怨恨や対立、
それぞれの選手の背負った肩書きや試合にかける物語といった、テーマとなる筋書きを担当する。

試合展開はあらかじめ決められている。もしかしたら勝敗も。

##筋書きのある試合は楽しい
筋書きの決まった試合はつまらないだろうか?そんなことはない。

2005年7月18日の小橋vs健介の試合などは、たぶん昨年で一番の名勝負だった
(もっとも「ノアだけはガチ」はファンの間では定説だが…)し、最初から「アングルあり」を
謳っているWWEの盛り上がりというのは、まさにシナリオの面白さの勝利だ。

つまらない仕込みの入った試合はつまらない。アングルなんかないほうがまし。
でも、面白いシナリオ、観客の予想を裏切るような展開を見せてくれるアングルならば、
八百長か、真実か」などと疑う前に、目の前の試合を楽しんだほうがずっと楽しい。

マッチメイカーの作ったアングルに対応して選手が作るのが、ギミックだ。