子供に馬乗りになって点滴する若い医者

どれも、それなりに真実だ。

正しい現状を伝えて、やっぱり医者は悪くなる。

番組を作ったスタッフをはじめとする「みんな」の見る世界にとっては、
「頑張る医者」なんていうものは単なる異物にしかすぎないから。

「ああ、医者はやっぱり悪かったんだ」という分かりきった結論は、見る人にとっての最高の癒しだ。
だから医者叩きは受ける。

思考停止ワードの作り出す癒しの空間から、「みんな」の意識を追い出すのは難しい。

状況を変える可能性の一つは、**身体で分かってもらう**こと。

意識はラクをするけれど、身体はいつも物理現実を見ている。

だから病気になった人は、どんなに医者が嫌いでも、結局は病院に来る。

「医者はみんな悪い奴」という意識の認識を改めてもらうには、
結局のところ病気を治すこと、身体に分かってもらうこと以外にないような気がする。

仕事をまじめにやるしかないんだけれど、
症状のない人、今の時点で「治す」ことの難しい人と対話するのは、やっぱり難しい。

どんな症状も「だって癌だから」の一言で済ましてしまう思考停止なんて、
医者側だって便利だから、つい使ってしまうし。