自分達の立場が弱いときは、なんとかして接近戦に持ち込んで、「一人が一人を倒す」戦いで、相手の戦意喪失を狙う

これは本物の戦争での話だけれど、いろいろな組織、
あるいは個人との交渉ごとは、けっこうこの法則が通用する。

##相手を一般化するやりかた
たとえば、退院の交渉。

一応、立場の強いのは医者側だから、可能なかぎり距離をとったほうが、交渉が有利に進む。

交渉の席では、「○○さん」という呼びかたは止めて、「**○○病の方は、一般に…**」という
しゃべりかたをしたほうが嫌なことを切り出しやすいし、また相手方からの反論が少なくなる。

こんなとき、「他の人はいいですから、うちの事情を考えて下さい」と切り返されると、
実は反論できなかったりする。

##相手を「個人」にして一騎打ちを挑むとき
たとえば、公務員の人達との交渉。

社会保障のサービスの申請の場面などでは、もう圧倒的に相手の立場のほうが上。

こんなときに「一般的には、こうなっています」なんて言われたら反論できないし、
また「医学的には、このケースにはこの保護が妥当と考えます」なんて**飛び道具**を出したところで、
効果は薄い。

「みんな」には、「みんな」で切り返される。

「皆さん、こうですから…」と言われたら、二の句が継げない。

有効なのは、「**みんな**」から「**あなた**」の戦いへ、個人同士の泥仕合へと引きずりこむこと。