その上で、「自分の実力であればどうだったのか」のシミュレーションを、個々の医師が表明する

マスコミの飛び道具が標的にするのは「医師一般」という概念。
医療者側がやらなきゃいけないのは、その概念の解体だと思う。

医師の案件を報道した記者には、なんとしてでも「その人個人の見解」というものを表明してもらう。
「あなたならこうした場合、どうしましたか?」とか、「あなたが同じ病気にかかったとしたら、
どういう選択をしましたか?」とか。

医師の持つメディアなんて本当にちっぽけなものだけれど、たぶん何らかの抑止力にはなる。

みのもんたとか、堺正明みたいな人達は、生物学的には「個人」なのに、
「視聴者の一般意志」を代表する概念存在でもある怪物だから、
そんな人達相手に正論で挑んだところで、勝ち目はないと思う。

>「見ろ。記者がまるでゴミのようだ!!」
>僻地は滅びぬ、何度でもよみがえるさ、僻地医療の充実こそ人類の夢だからだ!!

こんなふうに**ムスカさん**よろしく言い放ってみたいものだけれど、
実際にはうちの病院の最年少が11年目の自分。後ろはもう誰もいない。

そのうち眼科の先生とかがこの地域を見限って、自分もまた「**目が、目がぁ!!**」なんて
泣きながらこの地を後にしたりしたら、相当恥ずかしい。

医師もまた個人としての自分を出して、できることなら個人としての患者さんの集団を味方に
つけて、その上でマスコミ一人一人との接近戦に持ち込む。

今までやられっぱなしだったから、こんなことでもすれば、少しは戦果が上がるんじゃないだろうか?

コメント欄で紹介していただいた「伊江島土地闘争での米軍への陳情規定」は、非常に興味深い。