相手が失いたくない「原資」を発見できれば、交渉の上手下手に関係なく有利な結果を得られる
##ポーカーにはバンクロールが必要
交渉ごとのやりかたを考えるときには、
「ディベートの力」とか、「言い回し」といったテクニック的なもの
だけではなく、相手と自分との「**原資**」の差というものを常に考えないといけない。
原資を考えに入れない交渉というのは、チップをかけないでポーカーゲームをやるようなもので、
ゲームとしては片手落ちだ。
プロのギャンブラーの人達の大会では、大会前にどれだけの資金を集められるかが勝負を左右する。
プロだから、賭けるのは現金。
集められる現金の量というのは、その人の普段の勝率とか、その人がギャンブラーの社会で
どれだけ信用されているのかといったものを厳格に反映する。
ポーカーでの原資、バンクロールが対等でない相手とは、最初から勝負にならない。
どんなに腕に自信があっても、10億持ってきた相手に1000万円の現金しか持っていなければ、
相手がポーカーの素人であっても、勝負には負けてしまう。
相手が続けざまに1000万円ずつ勝負してくれば、
全財産が1000万円しかないほうは、1回降りればもう破産。
どんな名手だって勝負にならない。
##原資になる3つの要素
原資とは、交渉者の強さのよりどころになっているものだ。
具体的には以下の3つ。