Fri, Jul 30

  • 13:13  「正直な弁護士というのは矛盾話法である」なんて、弁護士の人が書いてる。米国人だけれど。こういう感覚なんだろうか。。
  • 13:32  検察というのは外科医っぽいらしい。何か悪そうなものを見つけたら、とりあえず切ってみる。それが本当に悪いのかどうかは、切ってから考える
  • 13:34  ビジネス法務に強い弁護士というのは、内科医にたとえられる。日がな一日書類をめくって倦むことなく、感情を表に出さない。米国の麻酔科の人が書いてる本だけれど、このへん偏見だと思う。で、医療過誤裁判が得意な弁護士というのは、うちの業界にたとえる相手がいないのだと
  • 17:19  物量の不足を芸で補償している状況に、十分な物量を投じたところで、たぶん不利な状況はひっくり返らない。物量を使いこなすには、それを使うための、別の芸が必要で、物量を補う芸と、物量を使う芸とは、頭を使う場所が全く異なってくる
  • 18:09  情報の住所というか、取り込む情報に、自分の頭の中での番地みたいなのを割り振れるようにしておくと、読むのがとても早くなる。そういう意味で、学習ノートみたいなの付けて、教科書読むときに、同じ分野のを何冊か買うのはいい方法。
  • 18:10  レイアウトというのは、読みやすさみたいなのを考えるときにとても大切なんだと思う。今はもっぱら、英語の法律の本を読んでいて、この分野は、話題から単語から、文章の言い回しから全然分からないから、なおさら
  • 18:11  辞書を引くのは大変だから、この分野の本は、買ったらすぐに裁断して、スキャンしてCORをかけるんだけれど、「このやりかたがベスト」というのがなかなかない
  • 18:12  手元には市販の翻訳ソフトがあって、マウスオーバー辞書のソフトもあるから、PC上には、英語と日本語が併記された対訳と、機械翻訳にかけた日本語テキストと、OCRかけて透明テキストで貼り付けた、もとの本のPDFとが出来上がる
  • 18:13  対訳形式は、日本語と英語とが交互に読めて、マウスオーバー辞書も同時に生きてるから意味を取りやすいんだけれど、テキストベタ打ちになって、レイアウトが死ぬと、本というのはこうもつまらなくなるものなのか、とびっくりする。モチベーションが急激に下がって、続かない
  • 18:14  英文PDFをマウスオーバー辞書で読むのは、日本語には一番遠い形式にもかかわらず、感覚的には一番読みやすい。果たしてそれで、元文章の意味がきちんととれているのかは自身がないんだけれど、段落とか、箇条書きとか、そういう飾りのありがたみがよく分かる
  • 18:15  日本語テキストと、PDFとを2画面並べして読むのが、妥協点としては優れているんだけれど、専用の対訳ファイルになっていないから、スクロールがバラバラなのが、微妙にかったるい。どのやりかたも、そういう意味で今ひとつ
  • 18:16  大昔の教科書のアンチョコ本みたいな、英語だったら元文章のレイアウトがそのまま再現されていて、1行ごとに、英文の下に、機械翻訳した日本語テキストをくっつけてもらえると、恐らくは一番読みやすいんだけれど、OCRしたテキストは、そもそも文章の区切りが曖昧だから、難しそう
  • 18:17  これが医学分野だったら、自分の興味がある話題は何で、今読んでいる教科書にはそれが書かれているのかそうでないのか、さすがに見れば分かるから、そもそも翻訳とか、マウスオーバー辞書とか、必要ない。このへんのギャップが面白い
  • 18:18  結局そういう読みやすさというか、親しみやすさみたいなのは、覚えてる単語の総量よりも、その教科書の文脈で、次に出てくる話題はなんなのか、読者の頭の中に、それがだいたい出来上がっていることで決まってくるような気がする
  • 18:19  マニュアル本作るときには、どうしたっていろんな資料に当たる必要があったんだけれど、日本語のマニュアル本を作ったことで、結果として、英語の医学教科書を読む速度が上がったような気がしている。英語に慣れた要素もあるから、何が効いたのかは分からないんだけれど
  • 18:21  医学の本だと、たとえば知らない英語の病名が書かれていても、そこをスルーして、症状とか検査、それでも分からなくてもスルーして、治療までくると、どの薬が効く病気なのかは分かる。そこから脳内でさかのぼると、「ああこの病気か」というのがだいたい分かる。
  • 18:22  そういうのはこう、差分情報だけ取り込むことになるから、スルーした単語を読み返さなくても、けっこうどうにかなってしまう。結果として、辞書引かないでも、いいかげんな英語知識でも、読むだけだったらどうにかなる。一分野だけ。
  • 18:26  結局こういうのは、英語それ自体に通じるのと、今読んでいる話題に通じるのとは相互に補完しうる関係にある、ということなんだろうけれど、じゃあ職業翻訳家の人たちは、このへんどうしているんだろう?医学翻訳は、やっぱり難しいとか昔聞いたことがあるけれど
  • 18:40  @chiruru やっぱりいろいろ、特殊な業界ですよね。。  [in reply to chiruru]
  • 19:55  たいていの業界が結果を重んじるのに対して、司法の現場は過程を重んじるんだという。射殺されかけた産科医が米国にいて、相手が誰なのかは明らかだったのに、取り調べの手続きに疑問が持たれたり、目撃者の証言にぶれがあると言われたりして、結局2審で無罪になったという例が挙げられていた
  • 19:56  たしかにこう、物事が一度法律案件に突入すると、それまでだったら「当然」でスルーされてたことが、むしろ話題の中心になって、当事者同士にとっての譲れない何かが、不思議と話題の中心から外れていくような感覚というのはある気がする
  • 21:34  今読んでる本には、まさにそのへんが強調されてますね。引っ掛かった同業者が最悪の敵なんだと
  • 22:50  The Health Care Provider's Guide to Facing the Malpractice Deposition という本を読んでる。訴訟の証言台に立たざるを得なくなった、医療従事者に向けた本。
  • 22:51  この本でもやっぱり、作者の人が、「こういう知識が医療従事者に共有されていないから問題が生まれる」なんてぼやいてる。書いているのは医師の人。裁判にも、その場のルールというものがあって、それを逸脱すると、たとえ正義が自分の側にあったところで、負けるときには負けるんだと
  • 22:53  こういうのは例によって、日本にそのまま持ってこれるものではないんだろうけれど、たしかになるほどと思えること、原告弁護士の質問に乗っかって、詳細を臆測で追加して、「115%」の記憶を伝えるようなまねをしてはいけないとか、なるほどと思えることは多い
  • 22:54  で、ひるがえって国内で、じゃあたとえば自分が明日どこかで誰か弁護士の人から尋問をされる立場になるのが決まったとして、こういうときにどうすればいいのかを書いた本というのが、日本だと何読めばいいのか分からない
  • 22:54  日本の弁護士が書いた本というのは、どちらかというと誠意文脈というか、どんな手続きが行われる、ということは書いてあるんだけれど、振るまいかたの注意みたいなのを詳しく書いてある本には、まだぶち当たってない。
  • 22:55  逆に、原告側に回った弁護士に向けたマニュアル本で、「医師の壁をこうして崩そう」みたいな方法論を論じているものはあって、そういうのは裏読みできて、参考になると言えばなるんだけれど
  • 22:58  @TNakamura39 弁護士の人たちだって、原告側が得意な人と、被告側が得意な人とがいるはずで、どちらかにとっての武器は、反対側にとっての守りのヒントになりそうなものなのですが。。  [in reply to TNakamura39]
  • 23:00  @sueme どうもありがとうございます。。。なんというか、たとえば「肺高血圧」なんて診断した患者さんにじゃあ入院してもらって、もっと大元にある疾患をどうやって調べればいいのか、1人内科だと途方に暮れる場面が時々あって、そういうときに調べたのをためていたのです。  [in reply to sueme]
  • 23:01  @TNakamura39 こういうのは、洋物の知識を勝手に輸入/公開/共有してから、改めて誰かに検証をお願いしたほうが、結局速いのかもですね。。  [in reply to TNakamura39]
  • 23:05  「正確に喋る」ということを、「分からないことは分からないと言う」ことなんだ、と翻訳できるセンスが必要なんだと思う。正確と誠意を悪魔合体させて、曖昧な部分を、想像で脚色してしまうと、それは訴訟じゃなくても、訴訟の場でも、悪い結果しか生まない
  • 23:06  正確に重きを置いた振る舞いは、どうしたって杓子定規で、いっそ横柄に見えてしまうのだろうけれど、法廷の席では恐らくこれでよくて、病棟みたいな場所であっても、正確さと、横柄な印象とを分離するやりかたは出来て、それがたぶん、適切なタイミングでなされる謝罪なのだと思う
  • 23:07  「予断」とか「予言」を語ることは、許されるんだと思う。それはこれから起きる可能性のあることであって、現時点では完全な仮説だから。起きたことに色を乗せて「詳細に」するのは、明確な罪悪なのだと思う。それは事実のねじ曲げにつながってしまうから
  • 23:09  正確さにこだわって、何聞かれても「先のことは分かりません」で突っぱねるのはだから間違いだし、「優しい嘘」なんてものを仮想して、俺ルールで誠実さを押しつけるのも、やっぱりいけないことなんだと思う。

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