上手なペペロンチーノの作りかた

大好きな文章。

材料が揃っているか確認する。量は適当で構わない。
なにはともあれ、大き目の鍋にお湯を沸かす。
お湯には塩をひとつかみ、これでもかというくらい入れておく。
お湯はぐらぐらと沸かすこと。なるべく大量のお湯を沸かし、
塩の量は遠慮しないことがパスタをうまく茹でるコツである。
冷えたフライパンにオリーブオイル、にんにく・鷹の爪を入れ弱火で炒める。
焦らずオリーブオイルに、香りをじっくりと移す。オリーブオイルが熱くなってきて、
にんにくがじわじわと泡を出し始めたらパスタを茹で始める。
パスタは後からフライパンで炒めることを考えて、
アルデンテ一歩手前ぐらいになるように茹でるのがよい。
にんにくがキツネ色になったらフライパンにパスタを投入する。
にんにくは焦がしすぎると苦い味がでてしまうのでタイミングが大事である。
パスタをフライパンに投入したらパスタの茹で汁を大さじ5杯とパセリのみじん切りをいれてかき混ぜる。
味がものたりないときは、ブラックペッパーや塩を足す。
冷めないうちに急いで皿に盛り付ける。
いただきますを言おうとすると、急に何もかも嫌になり、
皿を窓の外へ放り投げる。
落下途中に皿からパスタがはみ出ると美しくない。
皿が割れる音が響いたら、ガスレンジから茹で汁が入った鍋を窓際まで運ぶ。階下を歩く人人が驚いて見上げる視線を充分に受けとめてから、鍋を投げ捨てる。
この時、目を見開いて奇声を上げると効果的である。フライパンは柄を持ってスナップを効かせながら斜め上方30度へくるくると回転させるように投げ上げる。
フライパンが放物線を描いて頂点から落下し始める前に調理台へ戻る。先ほどパセリをみじん切りにしたナイフで頚動脈を切断し、意識が消える前に窓から飛び降りろ。