尋問の方法

リラックスした親しみやすい取調べはたいてい良い結果をもたらす。できる限り早く、記憶が鮮明なうちに取調べを行うべきである。


助けを出す。

そのとき何をしていたか?
なぜのそのような行動を取ったのか?
そのとき何か他のものを見たのか?
何か他の物音を聞いたか?
誰か他にその場にいたか?
証言の矛盾点に対して「嘘」「食い違い」「矛盾」といった否定的な言葉は避ける。
代わりに「ポイント」「もう少し詳しく」といった言葉で矛盾点を指摘するようにする。


目撃者はしばしば、認識不足と思われたくないばかりに細部を作り上げてしまう。
必要なのは事実であって作り話ではないので、そうならないよう注意する。


相手の立場に対して思いやりを持つ。たとえば自分の妻を殺してしまった容疑者などは、いかに自分の結婚生活が苦労の多いものであったかに理解を示す尋問官に強く共鳴する。

自分も結婚していて、同じ立場にあるからこそ理解できるとはっきり容疑者に示してやると、容疑者と絆を作ることができる。


徹底して容疑者を孤立させる場所を選ぶ。本人が親しみのない場所に連れて行くことは、孤立感と方向感覚を喪失させる。特に、友人や共謀者とおぼしき者からは遠ざけねばならない。こうすることで、容疑者の精神的な支えと安心感が奪われる。


尋問官は容疑者に与える情報をゆがめることもできる。たとえば、共犯者が自白しているといったことで、それを容疑者が信じるならば相手に精神的なダメージを与えることができる。


さしさわりのない話題からはじめて、徐々に確信に迫る質問を織り交ぜていく。容疑者の不安を増幅させないように趣味や家族のことから質問を開始し、そのうち容疑者がここから先は絶対に譲らないと決めていた一線をうやむやにする。


尋問官は、容疑者に対して優柔不断と思われてはならない。たとえば部屋に入ったとき、相手に対してはどの椅子に座るべきかをはっきりと指定する。「そのへんの椅子に座って」では容疑者に選択の余地を与えてしまい、尋問官の権威をそいでしまう。容疑者に選択の余地の命令を出しつづけることで、容疑者はそのうち進んで尋問官の権威を受け入れるようになる。


シャーロックホームズの質問術というものがある。彼によると、情報を引き出すには相手に「それは違う!」と言わせることがまず必要だと言う。

「つまり彼は青い車に乗っていったのですね」「いや、違います!白い車ですよ!」、といった具合だ。

相手に軽い反発心を起こさせることができればちょっとしたハイな気分を作り出すことができ、普段とは違う行動を促すことができる、ということだろう。


犯罪者の尋問の方法。研修医との会話、患者さんとの会話に何か応用できないかと思っていろいろ調べてみたが、状況が特殊すぎてあまり応用できる要素はなさそう。

一人の研修医を囲んで集団でアレするようなことも、一時に比べて減ってしまった。年をとった証拠か?

尋問ではトイレに行く権利にとどまらず、部屋の温度、照明、食事、飲料などすべての側面で尋問者に頼る構図を築く。いったん価値観を入れ替えてしまえば相手の言うことをすべて聞くようになる。