研修医の心理的抵抗を解く

尋問官の使うテクニックの一部。

尋問官を上級生、容疑者を研修医という言葉に置き換えてみたがどうもしっくり来ない。

昔書いた怪文書は、5年程前に自己啓発セミナーのトレーナーガイドをもじって簡単に作ったものだが、最近まで随分長いこといろいろな所で引用されていた。

トラブル続きだったので公開を中止したが、その結果アクセス数は全盛期の半分以下にまで落ち込んだ。

研修医を居心地のいい場所から引きずり出し、外来や手術室へ引きずり出す力というのはまた、権力が誰の手にあるのか相手に分からせる方法でもある。このことが研修の成功に向けての基礎を築き上げる。

研修医との間に信頼関係を築くことが、臨床研修の開始に当たっての目標である。

一般にはサラミテクニックとして知られる方法は、小さな連続した攻撃を行う。一つ一つの攻撃は小さく、ここは譲れない、などと相手に抵抗を受けることは絶対にない。攻撃を仕掛けるものはそれが個人であろうと国家であろうと、平和裡に自分の要求を勝ち得ることができる。

最初は趣味や家族のことから会話をはじめる。徐々に盲従を迫る質問を織り交ぜていき、研修医がこの先は譲らずに抵抗しようと決めていた一線をうやむやにしてしまう。

相手に強さを見せつけることは大切である。優柔不断だとは決して思わせないことだ。自らのやろうとしていることを正確に理解している様子を漂わせると相手に尊敬感を築かせる。

同情的アプローチを利用する


お前の家族はどう思うだろうか
俺だって同じことをしたさ

というせりふは研修医に対して安心感を抱かせる。言い換えれば上級生は容疑者を理解し、許すとほのめかすことになるが、他の部長が研修医の行いを許すかどうかは別問題である。

非常に一般的で古くからのテクニックは2人の上級生を使うやり方である。一方は敵意に満ちて威嚇的だが、もう一方はフレンドリーで気を使ってくれる。