アナログ評価の検査

##大動脈圧波形
いま働いている集中治療室では、患者さんのほとんどに動脈ラインがつながっている。

aline.jpg
動脈ライン。右の赤いのが波形。

動脈ラインはいろいろなことに使える。血圧や脈拍数は24時間連続して測れるし、
採血も楽だ。24時間体制のICU、1日に4回も5回も採血される患者さんはたまったものではないけれど、
これがあるから針を刺すのは1回で済む。

動脈ラインの波形は病気の診断にも使える。
吸気にあわせて圧が下がれば奇脈。タンポナーデや胸水、あるいは
重篤な脱水の時にこうなる。脈拍ごとに血圧が交互に上下すれば、交互脈。これはひどい心不全の時に
みられる。

動脈圧波形を見ることで、たぶんもっとも役に立つのが、体内の「**水加減**」を推定できることだ。

##水分という大事なもの
その人の体内の水分量は、足りているのか、脱水なのか。
治療を行っていくとき、どのぐらいの「水加減」で
その人の体を管理していくのか。ドライ気味に診ていくのか。あるいはウェットサイドで管理するのか。

水加減というのはいろいろな要素で決まる。