8〜10の「悪い予感」は、やはり順番に訪れる。プレッシャーに焦ってカルテを見直して、「やっぱり間違いない」と納得した頃に患者が悪化、誰かが助けてくれて…という経過をたどる。

##予感で事故を回避する
過誤がおきるためには、その前に必ず「過誤の物語」の経過をたどる必要がある。

全ての過誤が同じ機能経過をたどるなら、それを予期することができる。

いやな予感とか、縁起が悪い行いといったものにはたぶん
それなりの理由があって、過誤がおきる前にあった「予兆」みたいなものを収拾すると、
けっこう面白いかもしれない。

ジンクス。因縁。縁起や予感。物語の文脈から考えると、昔からの言い伝えと言うのは
真実を含んでいて、幸運のお守りとか、護符といったものもまた、現代社会でも
効果のあるものを作れると信じてる。

たとえば、このあいだ入ったラーメン屋。

きれいな店内。愛想のいい店員。清潔な厨房。材料一つ一つ、
水の一滴に至るまでの、店主のこだわりをつづったポスター。

今思えば、全ては「**まずい料理の物語**」の前兆だった。

そのときは期待高まりまくり。

出てきたのは血の味のするスープ。

たしかに、素材の味は生きてたよ。

でも、とんこつラーメン食べたい客は、生の骨髄飲みたいわけじゃないんだけどな…。

お守り代わりに、その日はクラビットと酒飲んで寝た。

今ところ無事。