医療過誤に至る物語

船の中から船の動きを知るのは難しい。

動きというのは相対的なものだ。それを測定するには、
何か動かないものを見なければならない。外の景色とか。星の動きとか。

自分自身で自分のことを知るのは難しい。

自分が考え、行動していることは果たして正しいのか。行動方針を決めて、それを観察しているのは自分自身。判断の基準になる「絶対正しいもの」なんか、自分の中には存在しない。だから難しい。

過誤というのは、おきる時までは自覚されない。思い込みを、その人の力だけで覆すのは不可能に近い。

##いやな予感は当てになる