医療はサービスか

>その昔、私が行政に飛び込んだ時に行政事務文書の「医療サービス」という用語を見て、
上司に医療をサービスとするのは奇妙ではないか?と疑問を呈したことがある。
>今で言うサービス産業と同等に医療を扱うのは奇妙ではないか?と聞いたのであるが、
上司の説明は厚生省も医療サービスという用語を使い、医療はサービスと考えるのは当然だというものだった。
>敢えて誤解されるのを覚悟して単純に考えると、市場では売り手と買い手が存在し、
物を売る場合とサービスを売る場合がある。まさにサービス産業のそれが医療サービスだとすれば、
医療者は医療というサービスを消費者に売るわけである。
>[最近の医療概念について思うところ](http://homepage.mac.com/k_kudo/iblog/B2007620793/C1931105600/E20060603114115/index.html)より引用。

医療がサービス業でないとしたら、何なのだろうか。

サービスとは、一方が他方に対して提供する行為やパフォーマンスで、
本質的に無形で何の所有権ももたらさないものをいう。

どんな職業も、サービスからは自由ではいられない。

純粋にものを作る職業であっても、その商品の性能とか、ブランドに対する信頼といった、
「形の無い何か」に対する対価を受け取らざるを得ない。

ものを作る職業と、サービスを売る職業とは地続きのものだ。
全ての職業は、この2つの要素を様々な割合で含んでいる。医療という職業も、たぶん同じ。

##サービスの2つの側面
純粋なサービス業というものは存在しない。

サービスが占める割合には差があっても、
どんな産業でも何かの「もの」を作って、これに対して対価を受け取っている。

対価を受け取るものの価値が全くないとき、それはもはや産業でなく、単なる犯罪。

詐欺師とゴロツキ。

何の価値も無いものから対価を受け取る「純粋なサービス業」の起源は、このどちらかに帰着できる。