Sat, Dec 05

  • 15:12  病歴や、家族歴の聴取に相当する「情報収集」、暫定診断や、あるいはバックグラウンドで怒っていることを推定する「仮説設定」、他覚的な検査を使ってそれを「検証」する過程をへて、処方や手術といった「行動」が行われる
  • 15:13  「情報」「仮説」「検証」「行動」は円環構造を作っている。行動の結果は再び情報収集され、反応に対する仮説が作られ、検証の後、再び行動がなされる
  • 15:14  各工程は、「速さ」と「大きさ」のパラメーターを持つ。それぞれの能力が大きいほどに、4工程のサイクルが速いほどに、患者さんの治癒可能性はより大きくなっていく
  • 15:15  恐らくは「能力の大きさ」と「速さ」とはある程度相補的な関係がある。情報収集が貧弱であっても、その工程に要する時間が短ければ、その貧弱さはある程度許容できる
  • 15:16  同様に、ある工程の弱さは、円環構造を形成する別の工程で補うこともできる。いいかげんな仮説設定を行う能力しか無くても、強力な検証プロセスを保持していれば、能力の欠如はある程度代償できる
  • 15:17  @med_legend 「ベーグルの進化」みたいなのがあるように思うのです。ずいぶん昔、ベーグルが入ってきたばかりの頃は、小麦でできた餅みたいな代物だったのに、最近のベーグルは、ドーナツの形をしたパンになっていて、なんだかふわふわという  [in reply to med_legend]
  • 15:19  従来型の「よき臨床医」は、たぶん情報収集の能力向上に相当なリソースを割り当てている。能力は大きな代わりに時間がかかる。仮説設定も同様に、緻密に行われる代わりに時間がかかる。両工程が優れているのが前提で、検証に要する検査は少なくて済む
  • 15:21  逆に言うと、情報収集が貧弱な代わりに速さを優先して、仮説を立てる代わりに症状ごとの表を利用することで速さに変えて、「情報」と「仮説」の貧弱さを、「検証」工程に大きなリソースを割り当てることで代償できるなら、総能力をそれほど落とさずに、速さに変えられる気がする
  • 15:22  ティアニー先生みたいな名人は、情報収集に時間をかける代わり、仮説設定が恐ろしく速くて、そこで病名を相当に絞り込んでいる気がする。あの人は統計データを頭の中で駆使することで、能力量と速さとを両立させて、しかも検証プロセスを最小で済ませるから、名医でいられる
  • 15:24  ティアニー先生に届かなかった人というのは、たぶん能力にこだわるあまりに速さを見失っているような気がする。あるいは能力が十分でないから、検査に頼らざるを得ない。いずれにしても「能力」と「速さ」とをかけ算したものが、「名医」のパラメーターなんだと思う
  • 15:26  内科の場合は、教科書が充実しているから、「仮説」を設定しあたとの行動については、人による差違は少ない気がする。これが外科になると全然別で、人格的にどうしようもないけれど手術室に入ったら誰も文句言えない人というのは、きっといるんだと思う
  • 15:28  完全大系の王子護先生が、たしか臨床能力のことをこんなふうに解説していた
  • 15:36  @haggie21 あの「ショートカット」は、目の前で見せられると本当に見事。。  [in reply to haggie21]
  • 15:39  こういう「情報収集」「仮説設定」「検証」「行動」の円環サイクルは、それが医療であっても魔法であっても交渉であっても、恐らくは元ネタである空中戦の技法であっても、けっこう共通している気がする
  • 15:40  それぞれの工程に「速さ」と「大きさ」のパラメーターを割り振れば、自身と相手のの能力と欠点が見えるし、欠点を補うのと長所を伸ばすのと、どちらを優先すべきかも見えてくる。恐らくは相手につけいる隙も
  • 15:42  医療の場合には「相手」というものが存在しないけれど、交渉ごとなんかもたぶん、こういう4工程が、すごい勢いで繰り返される状況というのが本態なんだと思う。だからたぶん、お互いの円環が場に出された時点で勝敗は決まっていて、サイクルを重ねるほどに差が開く
  • 15:43  「議長」を設定して、円環の速度要素を殺すことで、能力の大きさ勝負を前面に押し出したのが「ディベート」という競技なのだろうし、「相手の家にダンプカーを突っ込ませる」なんて「行動」もありありの「政治」という交渉ごとは、一見鈍重な人がすごい力を持ってたりする
  • 15:45  交渉の状況ごとで、どんな能力を、あるいはどんな速度が力として生かせるのかがたぶん異なってくる。ホテルの接客とか、あるいはメーカーのクレーム対応のやりかたが、医療交渉に直接導入できなかったりするのは、たぶんこのへんに原因がある
  • 15:47  あるいは様々な場面で行われている交渉というものを、2つのパラメーターを持った4つの工程で、16とおりに分類して表現できるのかもしれない
  • 15:49  「医療交渉」っていつかまとめたい。熱意とか矜持とかそういうのと対極にあるような黒いやりかた。波風立てずに無難に流して、そこにちょっぴり意図を挟み込むようなやりかた
  • 15:53  同業者から見ても、それはフィクションにしかならないだろうし、実際そんなところだろうけれど、読み物として面白いものにはなりそうな気がする
  • 15:54  昔売られていた「ザ・殺人術」とか、ああいう実用書のスタイルだけ借りたフィクションて、最近あんまり見ない気がする。はやらなくなったのか、スピリチュアルに流れたのか
  • 16:00  @bornfromsilence こっちは企画どころか1行も書いてないという  [in reply to bornfromsilence]
  • 16:59  @bagelk やっぱりそういうものなのですね。。はじめてベーグルという食べ物を食べたときには本当にびっくりしたのですが、今近所のお店でベーグルと称するものを買っても、あのときのびっくり感がないのです。で、昔買ったお店も、今はドーナツパンを売っているという  [in reply to bagelk]

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