Sat, Apr 03

  • 22:33  いくつか本を買った。感染症999、循環器の新しい本とか。どうしてもこういうのは、どこかにすごいこと知ってる奴はいないのか、という思いで手を出して、世の中やっぱり甘くなかった、という帰結になるんだけれど、ごくたまに、実は世の中ひっくり返りつつありました、というのがあるから怖い
  • 22:33  知識って油断するとすぐ止まる。それで間に合ってしまうとなおさら。心不全の治療がジギタリスで止まっている人なんていくらだっている。ギリシャ時代からある薬。
  • 22:34  自分は曲がりなりにも心臓方面の人間だから、こういうの見れば分かるけれど、じゃあ内分泌で、消化器で、ましてや膠原病方面で、頭の中が紀元前から止まっていない分野が本当に無いのかどうか、けっこう分からない。
  • 22:36  不得意分野の本は読まないし、そこが不得意ということだけは分かるから、そもそもそういう患者さんはもっと得意な人に手を代わってもらうから、不得意分野の教科書を読んでも、なんというか、びっくりできない。こんなすごいことになっていたのかという驚きは、それに浸かっていないと感覚できない
  • 22:57  @nonaiscope 脳梗塞の治療というのは本当に不思議。そもそもノバスタンとかカタクロットとか、教科書に書かれない薬だし。アクチバシンためらいなく静注できる施設なんて本当に少ないのに、第一選択だし  [in reply to nonaiscope]
  • 23:00  できないことを「やれ」って書いてある教科書って、読んだその人を悪人にしてしまう。そういうのずるいし、読者は怒ったっていいのに、そういう本のほうが「いい本」なんて神様扱いされる。不思議。
  • 23:03  「まさかの症例」系の本というのはありがたいんだけれど、あれもなんというか、「まさかと断言できる症例」というバイアスを入れると、診断が自ずから決まってしまう。不明熱、聴診忘れて実は肺炎でしたとか、日常臨床だと絶対やらかすのに、そういうのは単なる恥ずかしい症例で、まさかじゃない
  • 23:04  不特定多数の読者に晒すには、あまりにも恥ずかしすぎる失敗、失笑されてもしょうがないような状況に陥って、なおもそこから、徳俵一つ引っかかって土俵に戻れたきっかけはこうだった、というのを集めると、本当に役に立つと思うんだけれど、そういうのはやっぱり本にならない
  • 23:05  「まさかの症例」はだから、血液疾患とか、典型的な内分泌疾患の比較的珍しい症状とか、病名見ても「何これ?」なんて思うような、全然知らない病気とか、そういうのになってしまう。そうでないと、読者の「まさか」が引っ張れないから。逆にそのパターン読んじゃうと、疾患絞れる
  • 23:07  そういう意味で役に立つのは、やっぱり「もしも」という仮定なのかもしれない。きれいに診断して、治療が首尾良く言った症例を呈示したあと、「もしも」忙しくて聴診忘れて、その患者さんを帰してしまったら、どうなったでしょうとか、そこで状況が悪くなって、どうすればリカバリーできるでしょうとか
  • 23:08  「もしも」を使って仮想世界に入ることで、パネリストの偉い人たちから、実は昔やらかした恥ずかしい話とか、そこから開腹するきっかけになったエピソードとか、引っ張れると勉強になるような気がする。
  • 23:09  @nonaiscope あの本は結局、症状を見て、詳しく知っている専門化につなげるためのものなので、それが脳卒中なら、「どこか血管が詰まったんだ」と認識できたその時点で、あの本の役割はお終い、と考えているのです。「脳卒中です来て下さい」で脳外か神経内科呼んだら、あとは彼らの仕事  [in reply to nonaiscope]
  • 23:11  @nonaiscope 下手に抱えて「詳しいね。じゃあ全部屋ってよ」って言われた総合屋というのは、もう手も足も出ないのです。身につけるべきはだから、「少し古くて正しい知識」であって、突っ込みどころがあって、はじめて科の接続ができるという。論破すると、橋落ちる  [in reply to nonaiscope]
  • 23:19  人に何かを頼んだり、頼まれたりするのは本当に難しい。それこそ「うるさいお前は俺の言うことを聞けばいいんだ」とか開業医から怒鳴られて、問答無用で救急搬送されたこともあるし、他科から依頼されて、患者さんのCT見てたら、気がついたら他科の先生がたみんな逃げてたこともある
  • 23:21  事情話して、頭下げて、手を代わってもらうというそれだけのことが、時々ひどく難しくなる。昔総合診療やってた先生がたとか、その仕事辞めたり、疲れて別の施設に移ったりしてた。
  • 23:22  こういうのをじゃあ、「総合課から依頼があったら断っちゃいけない」とかルール決めても、状況は何も変わらない。頼みかたとか、頭の下げかた、プライドを慰撫するやりかたを、ちゃんと研修医のうちから教えないといけないんだと思う
  • 23:23  @p_shirokuma プライドというか、こういうのがやっぱり根っこにあって、病院間ネットワークとか言われても、駆動コストがすごいと思うのです。。CT見てたらみんな消えたとか、文章にすると笑い話だけれど、相手の科の先生がたは、きっと必死の思いだったのでしょうし  [in reply to p_shirokuma]
  • 23:28  @nonaiscope 「発症○時間の梗塞です。理学所見上この場所の梗塞で間違えないと思います。血栓溶解療法の適応がありますので、先生がお願いします」とか電話でやらかして、得する人なんて誰もいないという  [in reply to nonaiscope]
  • 23:29  @nonaiscope むしろ「2時間前から麻痺があります。CTだと出血じゃないみたいです。これ以上分かりません」って電話口で泣いてみせたほうが、話が30分ぐらい速くなる。30分は、血栓溶解療法考えるときにはすごく大事だったり  [in reply to nonaiscope]
  • 23:31  上がだらしないから、あいつがだらしないから俺が頑張らないと、なんて、現場の「頑張らないと」を引っ張り出せる人は、兵隊の位に関係なく、問題の解決に、一番貢献している人なんだと信じてる
  • 23:32  現場を「厳密化」するのは、たしかに責任転嫁のメソッドとして大正解だから本当に困る。正解だからこそ、それを「正解」って紙に書いて上司の部屋に張っておくと、それが止む気がする。殴られるかもだけど
  • 23:35  子供手当て590人分とか、もう厳密化の通達出たあとだから、世論が政府叩いたら「通達済み」と返せるし、現場が断って世論が逆転したら、「現場はもっと弾力的な解釈を」って憂いてみせれば勝利できる。厳密化は強いカード
  • 23:38  @nonaiscope 昔の研修病院は、「CT切って白なら無条件で脳外」が鉄の掟として機能してたから、ある意味簡単でしたね。。接続とか考えなくて良かった。このへんは脳筋な体育会系の病院のほうが、よっぽど楽  [in reply to nonaiscope]
  • 23:50  @treyfla 泣きつく先がなかったり、先に滅んだりしてる領域は、だから詳しいのです。。  [in reply to treyfla]

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