Fri, Jul 02
- 12:23 プロのお仕事、対価をもらってあるサービスを提供するお仕事の基本というか、危機管理のありかたとして、「平等である」というのは外せないし、接遇の訓練というのは、本来は危機管理の一部門なんだと思う
- 12:24 ホテルマンの人たちがいたとして、特定のお客に不快感を与えた職員はプロ失格だろうけれど、その逆に、特定のお客さんにだけ、すばらしい満足を与えてしまった職員というのも、やっぱりプロ失格で、その人の振る舞いは、見直されないといけない
- 12:25 「お前はここからでていけ」というものが、ホテルにしても病院にしても、あるいは学校なんかにしても、サービスを提供する組織がお客さんに対して切ることが出来る、唯一最大のカードであって、でもこれは、切りかたを間違えると、自分の首を絞めてしまう
- 12:26 嫌なお客に、その時の気分で出て行けなんて言ったら訴訟されても文句言えないし、もっと素行の悪い生徒がいて、でもちょっと弱いけれど反抗的な生徒がいて、その子の親に、腹いせに退学ちらつかせたりしようものなら、下手すると大問題になる
- 12:27 接遇の講習会というものが、本来何のために必要なのかといえば、それは決して「お客様」のためなんかじゃなくて、組織を守るため、「出ていけ」というカードを、必要なときに、一番望ましいやりかたで切るために、接遇のありかたを、こうと決めておかないといけないのだと思う
- 12:29 丁寧に頭を下げたり、おじいさんに「お爺ちゃん」なんて呼ばなかったり、ああいうのを「お客さんに失礼の無いように」という、一方向の価値で教えるのはよくない気がする。悪いのはよくないけれど、良すぎるのを、他の誰かに見せてしまうのは、たぶんもっと良くない
- 12:30 丁寧さとか、礼儀みたいなものを、量を積むやりかたで教えると、「俺の方がもっと誠実」とか、独りよがりな俺誠実を唱える奴らをコントロールできない。相性のいいお客さんだけに、勝手に誠意を特盛りにする奴は、結果としてその店を駄目にする
- 12:31 礼儀が「正しさ」という、プラスマイナス両極端に抑制を呼びかける言葉で表現されるのは、このへんなんだと思う。ある公差の範囲内に、サービスの質を保つことで、初めて切れるカードというものが生まれる。
- 12:32 「お客さんはこういうことを望んでおられますが、うちの設備と人員では、そのサービスを提供することは無理です。他の施設を紹介しますから、そっち当たって下さい」なんて物言いが、理不尽なクレームに対する暫定的な切り札であるとして、これを切るには前提が欠かせない
- 12:33 「クレーマー」なんてレッテルを貼られた患者さんの家族が、果たしてじゃあ、人間としてそれほどまでに理不尽なことを突きつけているかといえば、外からみるとそうでもなかったりする。現場が「ちょっと」頑張れば、いけそうに見えたりする
- 12:34 下手すると悪いことに、同じその施設で、「ちょっと」いいサービスを、同じ対価で享受しているように見える患者さんがいたりして、「クレーマー」と言われた人から見て、これはもちろん理不尽だし、自らも同じサービスを受けられてしかるべきように思える
- 12:35 誰かに「ちょっと」いいサービスを提供することもまた、誰かに「悪いサービス」と受け取られる振る舞いをしてしまうのと同様、同じだけ罪深い、サービスの失敗であって、善意文脈で患者さんに対する接遇を教える講習会は、ちょっと怖いなと思う
- 12:37 「出ていけ」というカードを切るために、接遇のやりかたを、講習会を通じて共有することは必要であって、接遇のそもそもに相当するのは、たぶんこのへんなんだと思う
- 12:43 恐らくは一流ホテルの接遇マニュアルと、軍隊が造る交戦規定というのは、文脈が似てるんだと思う。基準が明快であって、やるべきことが具体的に書かれていないと、こういうのは上手くいかないだろうから
- 12:44 どこかのホテルが、ゴミ箱の中身を1週間は保存しているとか、どこかのホテルでは、お客さんが車を降りたその時から、フロントマンはその人の名前をみんな把握しているとか、ああいうのは「丁寧だから」そうしてるんじゃなくて、そういうマニュアルを作って、訓練しているだけ
- 12:45 交戦規定が曖昧な文言で、なおかつその軍隊が、司令部の想定を超えて「上手くやった」ら、それは戦争でなく、一方的な虐殺になってしまう。敵とは何か。銃を撃つための条件とは何か。勝利とは何か。何を持って闘い、戦闘を停止するのか。これがそろって、虐殺は初めて戦争になれる
- 12:46 病院で、戦闘規定に相当する接遇マニュアルを作って共有しているところってあるんだろうか? ワタミの社長さんが理事やってるところだったら、こういうのどうなんだろう
- 12:47 過剰にいいサービスを提供した人は、「いい人」じゃなくて、サービスをぶちこわす人。過剰にいい人というのは、軍隊だったらその場所にいた民間人を片端から殺して回った兵士であって、これが「よくやった兵士」と称えられるかといえば、ノーなわけで
- 12:49 でもこう、生徒を教育しようとするあまり、勢い余って頭蓋骨陥没、意識障害作った「熱心な先生」とか、事件の迅速な解決を念じるあまり、取調室でちょっと無茶して容疑者の骨折っちゃった「熱心な刑事さん」とか、時々いる
- 12:50 ああいうのが断罪される一方で、熱心さが行きすぎるあまりに、個人的にすばらしすぎるサービスを、組織の意向を無視して勝手に提供しようとした人が、むしろ美談になったりする。メディアは「面白い話」を広める組織だから、それは行動理念にかなっているけれど
- 12:52 少なくともメディアがわざわざ取材に来たその時点で、自分の組織は良かれ悪しかれ、相当に「面白い」ことになっていて、サービスを提供する上では、面白さというのはむしろ悪いパラメーターであるような気がする。それを生かせるのは、せいぜい個人商店規模であって
- 12:53 フーターズみたいな面白サービスを提供する飲み屋さんだって、たとえば勢い余って上半身裸でサービスを提供するウェイターがいたら、マネージャーはその人を首にするんだと思う。ああいうところほど、むしろマニュアルは詳細にならざるを得ないような気がする
- 13:34 「サービスの交戦規定」に相当する日本語は。。
- 15:36 まとめた。接遇の交戦規定 http://bit.ly/9XGieF
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