Fri, Aug 06

  • 12:55  病棟に出たての研修医が、患者さんと何を喋っていいのか分からない、と悩むのは、そもそもコミュニケーションというものに、こちら側から喋るもの、というイメージを持ってしまっているのが間違いなんだと思う
  • 12:56  病棟コミュニケーションというものに限ってしまうと、恐らくは為されるべきことの大部は聞くことであって、目線の高さを合わせること、きちんと白衣を着ること。頭を下げることといった注意事項は、全て「あなたの話を聞いていますよ」というメッセージを発信するための手段になっている
  • 12:58  顧客というのは流体なのだと思う。持ち上げたり、押して変型させたりすることは、そもそも出来ない。そのかわり、高低差を利用すれば流れるし、流れに先んじて溝を掘っておけば、その道筋どおりに流れる
  • 12:59  流れ出した液体は、いきなり押しとどめると、あふれてしまう。流れを受け止めるには、ある程度流れてもらって、勢いをよどませないといけないし、そのためには壁ではなくて、ある程度の縦深を持った構造を利用しないといけない
  • 13:00  流れの制御を間違えて、勢いが一気にふくれあがったときに、堤防をそれ以上高くしたところで、流れの勢いは止まらない。見ずには際限がないものだから、堤防を高く守ると、水はそこまで押し寄せて、状況はもっと悪くなる
  • 13:01  必要なタイミングと判断したら、素早く謝罪する、安全な洪水のイメージを描きながら、堤防をあえて切る、という作業は、だから必ず必要になる。イメージすべきは、「こちらは誠心誠意説明したけれど、顧客に分かってもらえなかった」という構図。これが訴訟の伏線になる
  • 13:03  知性みたいなものを仮想しなくても、流体は、堤防の穴を勝手に見つけて、そこからあふれる。どれだけ巧妙に隠したところで、液体相手に隠蔽は無意味になる。
  • 13:04  @topo そうなのでしょうね  [in reply to topo]
  • 13:08  相手に話を聞いてもらうためには、恐らくはだから、まずは十分に流す必要があって、流れてよどんで、初めてそこで、次が生まれる。流れたものを、いきなりせき止めようとすると、恐らくあふれる。これがトラブルになる。偶発的な事故で、流れる方向がいきなり止まるのも同じ
  • 13:08  @topo 体温計と、あとは問診票を書いてもらうのがそれに少しだけ近いかも。  [in reply to topo]
  • 13:10  マクドナルドよろしくやるなら、本当は、カルテを待合室から見えるところに並べて、自分の分身たるカルテが今どのあたりにあるのか見えるといいのかもだけれど、あれこそは個人情報の最たるものだから、それをやるのは厳しすぎる
  • 13:12  なんとなく、「人と人」を仮想するから生まれる誤謬みたいなのがある気がする。俺定義の暑苦しい誠意を一方的に押しつけて、相手が暑いって言ったら、「あの患者は理解が悪い」とか怒り出したりするような
  • 13:14  サービスにおいて、顧客の知性というのは、要するにサービスを供給する側にとって都合のいい考えかたをしてくれること、という意味だから、顧客に知性を仮想するコミュニケーション術というのは、逆説的に、お客さんにすごく失礼なことをしている気もする
  • 13:15  暗黙のルールがあって、高菜一つ食べられないお店のサービスはひどいけれど、厳格なルールがあって、オヤジの命ずるがままにしか振る舞えない名店というのは、誰が入っても、お金払った分だけ、その店を楽しんだ、という証明書みたいなのがもらえる。それでいいなら、それはサービスなんだと思う
  • 13:17  椅子と空間だけがあって、そこで何を楽しんでもあなたの自由だよ、というお店は、楽しめる人と、そうでない人とを残酷に区別する。ホストクラブみたいな場所、お金を払ってくれる人には、お金を払ってもらった分だけ必ず楽しめるああいう場所には、恐らくはもっと厳格なルールみたいなのがある
  • 13:18  なんというか、お客が楽しんだから楽しめたんじゃなくて、店のルールに従うこと自体が、楽しんだ、の定義になっている場所があって、そういうところのほうが、顧客に対する門を、実は大きく開けているような
  • 13:24  そのへんはたぶん、顧客の間合いと幅広さによって変わるんだろうけれど、相手に知性を仮想して、出方を待って対応を演算する、というやりかたは間違いであって、最初から限られたパターンを練習しておいて、それを演じる人のほうが、サービスとして優れている
  • 13:26  恐らくは楽しみかた、あるいは楽しんだという体験に至るまで、定義はサービスを提供する側が用意しておくべきで、顧客の満足度というのは、恐らくは誠意なんかじゃなくて、反応速度に比例して大きくなる。演繹の時間は、単なる待ち時間になってしまう
  • 13:27  反応速度を上げるためには、パターンを絞る必要と、もう一つ、顧客の振る舞いを、あらかじめいくつかに制約しておく必要とがあって、病院の構造とか、自分たちの奇妙な格好というのは、恐らくは暗黙的に、そのための道具になっているのだろうと思う
  • 13:29  病院をたとえば、体育館みたいなだだっ広い空間に、仕切りのないところに布団を並べたような作りにして、自分たちも白衣でなくて、上下ジャージで仕事をしたりすると、恐らくはコミュニケーションの質は、全く変わってくる
  • 13:31  あるいは飲み屋さんみたいな店舗スペースを居抜きで借りて、そこで内科のクリニックを開業したりしたら、いわゆる的な診療は、下手すると成立しないんじゃないかと思う。人はたぶん、その場所が作り出す構造に従った振る舞いしかできないだろうから
  • 13:59  @DeLa_MuNeN 海外の施設だと、病院長に当たる人がそもそも医師でないところがあって、結構上手くいってる見たいですね。。  [in reply to DeLa_MuNeN]

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