Wed, Nov 24
- 12:52 戦時標準船の逸話を読んでいた。やっぱり手抜きって難しいというか、手を抜くときには、よほど腹をくくった人が決断しないと大失敗する
- 12:53 戦争になって、日本も船が足りなくなって、じゃあこれから「粗製濫造」しようと図面を引いて、最初の頃は全然手抜きになっていなかったのだと。船体は3次元曲面で、せいぜい上物だけ粗末になった。見た目は粗末だけれど、実は全然手抜きになっていなかった
- 12:54 いよいよ船が足りなくなって、今度は気合いを入れて手抜き図面を引き直して、たしかに今度は簡略化された船ができたけれど、今度は安全装置が一切なかったのだと。船体としての性能が落ちて、2重底が廃止された
- 12:55 性能が低くて安全性の低い船を通常運用したものだから、当たり前のように船は沈んで、結局大変なことになったのだと。性能の低さを、単なる妥協と考えてしまうと終わる。低い性能に甘んじるなら、運用を見直さないと現場が死ぬ
- 12:56 で、米国のリバティー船は、無骨な手抜き船でいるようでいて、船に必要な基本的な部分は従来どおりだったのだと。その代わりエンジンはショボくて、遅かった。
- 12:57 米国はその代わり、鈍重な船を運用するためにノウハウを書き直して、護送船団のありかた変えたんだと。こういうのは誰かが決断しないと変化しないし、決断した誰かに責任が行くから、責任者取りたくない人が集まると難しい
- 12:58 同じやりかたに低い性能のものを入れて、性能の低さを精神力で補え、なんて宣言すると、失敗は現場の「頑張りが足りない」せいになる。上司が安泰になる。笑顔で部下見殺しにできる人が出世する
- 12:59 質よりも量が求められてる現状に対して、「手抜きができない」ことだとか、ようやく作った低い性能の代替品を、今までどおりの運用しかできないことだとか、戦時標準船も、半導体も、失敗の根っこがよく似ている気がする
- 13:01 「手抜き」ベクトルの決断こそは、上司が判断しないと無理なんだと思う。「現場レベルの手抜き」は、それがよしんば成功したところで、「気合いが足りない」とか上司から背中刺される危険があって、難しい
- 13:02 「もっと頑張れ」でなく、「ここは手を抜け」と指示出せる人が、運用に長けてる人なのだと思う。じゃあたとえば今の政治家で、「成功した手抜き」を成し遂げた人はいるんだろうか?
- 13:08 @mmasuda 「ベストプラクティス」って、ある意味逃げというか、「質に走る」というのも、一種のサボりというか。。 [in reply to mmasuda]
- 13:18 @ScottVoid コストダウンで一番大事なのは、「頑張り」じゃなくて「運用思想」ですよね。。 [in reply to ScottVoid]
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