Sun, Dec 19

  • 15:08  「なんでも鑑定団」に出てくる中島誠之助の語りが好きだ。いかがわしさと人当たりのよさと、矛盾が見事に同居しているようなしゃべりかた
  • 15:09  あの舞台に「本物」が出てきたときに、他の鑑定士はたいてい、最初のほうに「本物です」と宣言する。依頼人はみんな、「ありがとうございます」と鑑定士に頭を下げる。本当にえらいのは、本物を持ち込んだ依頼人のほうなのに。中島誠之助が鑑定するときは、そのあたりの関係を上手に作る
  • 15:10  偽物が出品されたときには、他の鑑定士の人たちは、「この出品物にはここが欠けている」と、本物に比べて、足りないものを指摘して、最終的に、これは本物でない、という結論を出す。依頼した人は、たぶん本物でないその依頼品のことを嫌いになる
  • 15:12  中島誠之助が偽物を鑑定するときには、まず「もしも」から入る。「もしも本物だったら」ではじめて、それが素晴らしい価値を持つこと、当時人気があったこと、現存していればすごい発見であることを語って、「この依頼品は、本物にしてはよく出来すぎている」とつなぐ
  • 15:12  贋作を作った人の熱意というか、本物を目指して、力を入れすぎたあまりに「本物を超えてしまった」から、これは偽物なんだと持っていって、「あえて欠点を上げるとすれば」なんて、そこからはじめて欠けたところをいくつか指摘する
  • 15:14  で、最後は決まり文句の「言い仕事をしていますねぇ」と結んで、「これを大切にして下さい」なんて依頼者に返す。あれは上手に使えば最高のもてなしだし、逆に価値あるものを買い叩くときには、「いい品だから、この値段でどうです?」なんて安い値段吹っかけてもいける
  • 15:15  あの語りはたしかに業界人の芸であって、芸というのはたいてい、いい方向にも悪い方向にも応用できる。そのあたりは話芸も武芸も同じ
  • 15:17  博物館方面の鑑定士の人たちも、時々「いい仕事をしてる」を使おうとする。でもあの言葉は、依頼者を持ち上げて、依頼品を持ち上げて、はじめて意味を持つ。「ここが欠けている」と指摘されてから「いい仕事」といわれても、あまりうれしくない
  • 15:18  中島誠之助の「いい仕事してますねぇ」は、あの言葉が見事なのはもちろんなんだけれど、そこにたどり着くまでの話の組み立てかたが上手だからこそ、言葉が生きてるんだと思う。じゃあとっかかりはどこかといえば、「いきなり歴史から入る」というあのへんなんだと思う
  • 15:23  ああいうのがなんというか、本来の「商売人の語り」なんだとは思う。「これだけ買うからこれだけ値引いて下さい。それが御社の利益です。win-winです」みたいなのは何か違う。実は騙されてすごく安く買い叩かれても、何故か気分がいい、というのが商売人の話術であって
  • 15:24  再現性を持った技術という意味では、大量購買、大量値引きを力尽くで押し進めるやりかたのほうが正義で、芸に頼ったやりかたというのは、最後は物量に押し切られてしまうのだろうけれど。仲買人に中島誠之助を雇おうものなら、人件費だけで会社傾くだろうし
  • 15:30  @zyesuta ああいうのをじゃあ、技術として体系化して、学校みたいな場所を作って教えられるのかといえばきっと相当に難しくて、芸というのはいつまでも芸なのですかね。。  [in reply to zyesuta]
  • 15:31  ニコ動で居合いの達人の動画を見ていて、その流れで、昔ながらの木刀を使った立ち会いというか、演舞みたいなものの動画を見ると、剣道とずいぶん違うなと思う。
  • 15:33  木刀で立ち会ってる人たちは、こう、木刀を頭上に担いで、ほとんど床と平行に構えて、背筋は曲がって、足は少しがに股気味に開いて、社会科の教科書で見た鎌倉武士の絵にそっくりに見えた。剣道の人たちは、もっと背をまっすぐ伸ばして、ありようが凛としているというか
  • 15:34  あのあたりは、どちらが優れているとかじゃなくて、根本的にルールが違うとそうなるものなんだろうか?どちらが見た目にきれいに見えるかといえば剣道なんだけれど
  • 15:35  @sarustar 高田社長の語りは、「いかがわしさ」成分が多めで、あれはあれで、それを見るためにテレビを付ける人がいるから、あれでいいのでしょうね。。  [in reply to sarustar]
  • 15:37  やっぱりこう、話芸天下一武道界みたいなのを見てみたい。何でもありありのディベートみたいな奴。人質交渉人や心理学者、口上に長けた香具師、警察の取調官、中島誠之助は相当上位に行くと思う。政治家の人はどうなのか。
  • 15:39  @zyesuta 中島誠之助の語りなんかも、言葉を棒読みするだけだと、面白くも何ともないと思うのです。。声の調子やあの人の立ち居振る舞いまで含めてまねないといけないし、結局それは「写し取る」、修行の工程が欠かせないですよね。。  [in reply to zyesuta]
  • 15:48  @tdaigu 防具なしの木刀ルールで「突き」を認めたら、人死にが出ますもんね。。。  [in reply to tdaigu]
  • 16:01  @zyesuta 「技術と芸の断層」というのは、話題としてとても面白い。。。学校を出ても、名人とそうでない人とを隔てる薄皮というものは、必ずどこにでも存在して、それを超えるのは、しばしば絶望的に難しかったりするわけで  [in reply to zyesuta]
  • 16:04  型というのは暫定的な正解に過ぎなくて、「型がないと教えられない」から、あとから生み出された何かで、型を通じて、その裏にある視床の体験を再現することを心がけないと、型を超えて名人に到達することは出来ないんだろう
  • 16:04  @sarustar 在野の名人が、恐ろしく多い大会になりますよね。。。  [in reply to sarustar]
  • 16:05  @tdaigu 「足斬ってもいい」ルールになると、K1 グランプリが一時期ローキックの削り合いになってしまったような、地味で痛々しい勝負になっちゃうのかも。。  [in reply to tdaigu]
  • 16:06  @odomon 実戦的なものが「きれいに見えない」というのも、素人が後天的に刷り込まれた感覚なのですかね。。  [in reply to odomon]
  • 16:07  @zyesuta やっぱりこう、どこかで教わったことを超えないと、習った人と、名人との境界をまたげないのでしょうね。。  [in reply to zyesuta]
  • 16:09  @tdaigu 足の甲をスパイク付きの靴で踏み抜くだけで、ダメージ大きいですよね。。  [in reply to tdaigu]
  • 16:22  @odomon 虎眼流みたいに、現代剣道の有段者の人たちに真剣を持ってもらって、防具なしでの演舞を思考実験してもらいたいですよね。。現代剣道は、ある意味相討ち前提だから、型の考えかたがずいぶん変わってくるでしょうし。  [in reply to odomon]
  • 16:49  @ottohseijin やっぱり「頼まれない」という非対称に押しつぶされて、救急の現場から去ってしまったかたを何人か知っています。。ギブアンドテイクの関係に、なかなかなれないんですよね。。  [in reply to ottohseijin]
  • 17:28  @yuba 考えてる人は、ちゃんといるものなのですね。。。。  [in reply to yuba]
  • 18:17  ネットを使った公開処刑って、ある程度名前がある人にとっては、クリック一発で大ダメージを与えられる上手い方法なのだろうけれど、自分が刺される可能性というものに、どれぐらい配慮してるんだろう?
  • 18:18  処刑は公開だからこそ、たくさんの眼が事態を注視する。目線は時々、当事者の意図を超えて一人歩きして、ちょっとした注意を求めた公開が、一族郎党皆殺しになるまで、目線は許してくれなかったりする
  • 18:19  公開処刑の威力というのは、たぶんやり過ぎると、当事者の制御を離れる。処刑された人は殺し尽くされるだろうけれど、目線がそれで満足したとして、当人の怨嗟はもちろん、当事者の側に返る
  • 18:20  制御できない大威力というのはおっかなくて、当事者は一発ぶん殴る程度の威力を想定した公開が、相手の人生を台無しにすることになったとして、舞台には公開した人とされた人と、2人しかいない。
  • 18:21  どこかこう、ガソリンをぶちまけた中でメラを撃つような感覚に思える。ガソリンが相手にかかっていれば、メラがメラミぐらいになるかもだけれど、下手するとゼロ距離でメラゾーマ撃っちゃうはめになる
  • 18:45  公開処刑を本気で仕掛けるなら、最低限2親等ぐらいまで、相手の一族郎党を皆殺しにする覚悟で行かないと、そのあとから返り討ちの恐怖に震えることになるんじゃないだろうか?ああいうのはあくまでも抑止力として使うのが本来で
  • 18:51  @fday_kabu さあ  [in reply to fday_kabu]
  • 18:51  @kirikuzudo 「型は非可逆圧縮」という考えかたは面白いですね。。。jpg  [in reply to kirikuzudo]
  • 18:52  jpg 圧縮された写真をいくらなぞったところで、実際の風景を想像することを怠っているうちは、絵が上手にはならないような
  • 18:56  武芸の語ってたぶん、師匠の身体を通じて観察した、その人が生きてきた世界そのもので、身体というものは、世界に一種の圧縮をかけて、頭の手に負える大きさに、問題を小さくしている
  • 18:57  型というのはだから、あれは暗号の片割れに過ぎなくて、師匠の身体という、圧縮ファイルを作った暗号鍵みたいなものを理解しない限り、ゆがみなく展開できない。虎眼流の技は6本指前提で、弟子はどうしたってオリジナルを考案しないといけないのだろうし
  • 19:56  「すごくない物づくり」という方法論はなしなんだろうか。。基本は抑えつつ、ここを何とかしてくれれば、というユーザーの要望を、あえてスルーしてみせるような。ユーザー自身が作り込むことで、ようやく完成する何かを残しておくような
  • 19:57  近所の飲み屋さんに横付けしてある昔のダイハツミゼットが、やっぱりどこかで引っかかる。あの何もなさというか、素っ気なさというか。性能こそ十分なのに、いろんな方向に何か足りなくて、手を入れてみたくて、結果としてそれがほしくなる
  • 19:58  今の自分に、ダイハツミゼットを使う理由なんて何もないけれど、安全こそ大昔の三輪車だけれど、ちゃんと走って荷物も乗って、でもガワは粗末でシートも薄くて、ユーザーが手を入れれば「もっと良くなる」と思わせる素っ気なさが、逆に魅力になってる
  • 20:00  銀河携帯は、実物触るとたしかにすごくいいものなんだけれど、額縁というか、本体のへりが光ったり、ボタンが微妙に、上品に凹んでるのとかが、逆に魅力を削いでる気がする。「ここまでやってあげたよ」という作り手のサービス精神が逆にちょっと暑苦しいというか
  • 20:01  @KoujiMatsumoto 単なる順列組み合わせなのに、「俺のもの」感がすごいんですよね。。  [in reply to KoujiMatsumoto]
  • 20:01  @lucifer_af あれはたしかに素材の面白さ。。  [in reply to lucifer_af]
  • 20:02  機能特盛りの日の丸アンドロイドは、個人的には胸焼けするんだけれど、でもあれが大人気になっているのだから、間違ってるのは自分のほうなんだろうとは思う
  • 20:05  @KoujiMatsumoto Android 携帯のROM焼きも、詰まるところはベンチマークをぶん回すぐらいしか、その喜びを表現する場所がないんですよね。。  [in reply to KoujiMatsumoto]
  • 20:05  @Bishoujo SDを「すごくない」なんて言ったら、持ち主の人たちから八つ裂きにされそう。。  [in reply to Bishoujo]
  • 20:14  店に怒鳴り込むときのコツみたいなのって、「店長を出せ、当事者を出せ」ってトップと当事者を呼びつけて、トップを怒鳴り上げたあげくに、最後に「どうか彼を叱らないでやって下さい」なんて、そんなことあるわけないのに、自分をいい人にして撤退することなんだと思う。
  • 20:15  @tdaigu みんなそもそも、スマートホンにそこまでを求めてないのでしょうね。。。「カーネルが書き換えられるんだよ!」なんて宣伝しても、「はぁ?」という人のほうが多いのでしょうし  [in reply to tdaigu]
  • 21:13  ずいぶん前の、勝間ひろゆき論争みたいに、○○ってどういう意味なんですか? という無敵話法で相手が罠を仕掛けてきたときには、勝手に論を進めて、「ひろゆきも本当は分かっていて内心賛同してくれるはず」なんて、勝手に突っ走ることが切り返しになるのだと思う
  • 21:14  このあたりはこう、居合道の達人を相手に、剣術の達人がちょっと離れた場所に立って、一言「どうぞ」とつぶやいたら、居合いの達人は何も出来なかった、なんて話にも通じて、受けに特化した相手に攻め入るのは、よっぽどの力量差がないと言い負ける
  • 21:16  こういうときにはだから、相手の言葉に徹底的につきあわない道を探すか、逆に最初から負けるのを前提に、ひと負けしてみせる代わりに、目標をもっと遠くにおいて、その負けを、目的地への足がかりにしてみせるか、何か考えないといけない
  • 23:42  @Atushi_MORI 山本益博と聞いてしまうと、なにかこう、あんまりいい言葉に聞こえてこないという。。  [in reply to Atushi_MORI]
  • 23:43  @fday_kabu どうやって上手に負けるのか、の作戦を考えながら喋ると上手くいったり  [in reply to fday_kabu]
  • 23:50  政治家の人たちは、帳簿の不記載みたいな、実は白なんだけれど調べる前だと真っ黒に見える隠し球をいくつか持っていて、本当に隠したい何かが見つかりそうになったときには、すかさずそれ投げて話をそらしてるんじゃないかと思えるときがある

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