Mon, May 02

  • 15:45  その人が同時に扱える事実の数には限りがあって、限られた事実の範囲で、見解というものは組み立てられる。通常は、同時に扱える事実が最も多い、より広い範囲から収拾した事実に矛盾しない見解を組み立てられる人が専門家と呼ばれる。
  • 15:46  見解は、少ない事実から組み立てることもできるけれど、そうして作られた見解に、例外事項を突っ込まれると、その見解は瓦解する。たくさんの事実を同時に扱う能力を持っていない人は、だから自分の作った見解を守るために、例外を見ない、見せないように振る舞おうとする
  • 15:47  能力の上限を超えた時点で、その例外は、見解を作った人からは「見えない」ものになる。それが都合が悪いのかどうかすら、「事実の隠蔽」を指示した人には、そもそも判断できないことが多い。
  • 15:48  まじめに仕事をしているのならば、ある見解を表明するときには、その人の能力限界まで、収拾された事実に矛盾のないような見解が作られる。裏を返せば、全ての参加者が能力をめいっぱい使っているのなら、能力の低い人は、常に「新事実」を突きつけられて、見解が破壊されることになる
  • 15:49  で、たくさんの事実を同時に扱う能力を持っていない人が、間違ってリーダーになってしまったときに困ったことが起きる。
  • 15:50  能力の足りないリーダーから見ると、「自分の知らない事実が部下から突きつけられて、自分の見解が脅かされる」ようにうつる。あるいは「自分には必要な事実が知らされていない」とも。認識の限界を超えたところで旗振る以上、しょうがない。
  • 15:51  リーダーが見解を守るためには、自身にとっての「例外」を、切断処理しないといけない。リーダーに認識できない「新事実」は、だからなかったことになるし、部下にはそれを切断した上での見解と、「助言」が求められることになる。
  • 15:52  この状況を外から観測すると、「必要な事実がリーダーの指示で隠蔽されている」ように見えるし、「周囲の専門家がイエスマンで固められている」ように見える。
  • 15:53  こうした光景は、だから能力を持ったリーダーが、何らかの意図に基づいて暗躍しているのではなく、能力の足りないリーダーが、莫大な情報量になすすべもなくなったときに陥る必然なのだと思う
  • 15:55  Win95 時代のPCに間違ってVista を乗せてしまったようなもので、ファイルはなくなるし、固まるし、なんだかこう、PCがユーザーに悪意持ってるようにしか見えない状態。必要なのはいいPC か、あるいは軽いOSであって
  • 15:56  今の総理や前の総理が、実は旧軍大好きなんてことはさすがにないだろうから、立ち位置が全然違う両者が、大体に多様な振る舞いに陥っているのは、やっぱりそういうことなのだと思う
  • 15:59  あの「官僚の奴らは嘘ばっかりつきやがる」みたいな言説というのは、要するに見えないんだと思う。いっぱいいっぱいを超えたところで仕事してるから、文書として上げても読めないし、読んでも頭に入らないし、読んで聞かせても、たぶん見解の修正には届かない。
  • 16:22  @iwtkf15eagle 100までしか数えられない人が、いきなり1000の問題に突き当たると、その大きさにたじろぐ余裕もなく、100しか見えないから、900放り出しているように思われちゃうんだろうな、と。  [in reply to iwtkf15eagle]
  • 16:37  @navisl_zvezda 向こう側の人にとっては、一生懸命がんばってるのに、何をやっても叩かれるとしか思えないのでしょうね。。  [in reply to navisl_zvezda]
  • 16:47  正解が「こう」と見えている問題であれば、以心伝心が機能する。乗用車みたいな精密部品の固まりですら、公差をどちらに寄せるとか、トヨタあたりの会社は空気の力でやってのけたりする
  • 16:47  以心伝心ルールで問題の解決に当たるやりかたは、ガバナンスのコストを最小にしつつ、すばらしい成果に到達することができるけれど、おそらくそれは、最初に正解にたどり着く道が示されない限り、難しいのだと思う
  • 16:49  ベテランシューターが血路開いた攻略を洗練させるのと、コインの山積んで、初見殺しをブチ込みコンティニューで切り抜けてくのと、方法論はまるっきり違う。しばしば後者は馬鹿にされるけれど、誰かがそれやらないと、そもそも前者の方法論は成り立たない
  • 16:50  非効率だとか、大げさで効率が悪いとか、日本流が華麗に打ち破ってきたそうした古くさいやりかたは、未知状況に当たったときには必ず必要なもので、未知に当たって「もっと洗練された」やりかたを探そうとする人は、未知に呑まれて潰される。
  • 16:53  @taninon 100人ディプロマシーはすごい。。。時間無制限、機会の公平だったら絶対に終わらないでしょうから、あとはもう、意志決定が速くてリスク取れる人が総取りしますね。。  [in reply to taninon]
  • 16:54  http://bit.ly/fvspnq 100人ディプロマシーのお話。すごく面白い
  • 16:57  情報が多すぎる状況にあっては、視野を狭くできる人だけが意志決定を行える。自分の決定にはどんな情報が必要で、その決定は何を生むのか、戦局眼というのは戦場でなく、むしろ自身を見る目線であって
  • 16:59  @iwtkf15eagle ポール・ヴァン・ライパー海兵隊退役中将の言葉、「戦争において、情報は非常に便利だが、戦場で人を殺すのはいつだって弾丸だ」というのがすごく腑に落ちたのです。引き金を引くに足りる情報があれば、それで行けよと  [in reply to iwtkf15eagle]
  • 17:05  @iwtkf15eagle http://bit.ly/dmgrtZ 「米軍に勝った将軍」という逸話を持つ人物なのです。。
  • 17:11  でもボードゲーム作家の人とか、ゲームマスターの仕事に通じた人とか、政治家の、せめてアドバイザーとして参加するとずいぶん参考になるんじゃないかと思う。ジェイムズ F.ダニガンとかそんな人だし
  • 17:20  @iwtkf15eagle リンク先の逸話は、新しい情報処理のシステムを作った米軍が、その効果を証明するために始めたところが、意志決定の速度が彼我で違いすぎて、悪役の将軍に敗北したのだ、とおもうのです。。  [in reply to iwtkf15eagle]
  • 17:44  @iwtkf15eagle 以前読んだ「第一感」という本に、この人の逸話が紹介されていて、インタビュー記事なんかがいくつか検索できて、その中に「情報は便利だが…」の言葉があったのです  [in reply to iwtkf15eagle]
  • 17:53  @navisl_zvezda 「ゲームに近似する」って、けっこう大切なんだと思うのです。実世界を反映しない、思い込みだけのゲームは淘汰されるから、優秀なゲームデザイナーは、現実の抽象化が上手である可能性も高いわけで  [in reply to navisl_zvezda]

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