Tue, Jul 12

  • 00:34  間違った問いに対する正しい答えは、正しい問いに対する意味を持たない。ネズミの実験で成功した薬は、人体だとしばしば逆の作用を引き起こしたりする
  • 00:35  vivo と vitro の問題はどこの業界でも同じであって、理想的な環境を前提にした問いに対して正しい答えを手にしたところで、それが実地の問題に対する正しい答えになっているのかどうかは、実地で検討するまで分からない
  • 00:36  「この靴はすばらしい作りですから、あなたは足の指を切り落とすべきです」なんて、足に合わない靴を靴屋さんから勧められたら、普通のお客は逃げ出す。「この思想はすばらしいから」と、失敗したやり方を押しつける国からは逃げられないことのほうが多い
  • 00:38  国辱劇団「ニュースペーパー」の舞台というのは、きちんと面白いんだという。右左にあんまり興味のない人が見て、ちゃんと笑えて、風刺も理解できるのだと。で、楽しんだ人が、ネットで大激怒している声を聞いたら、たぶん怒る人より笑わせてくれた人に親和する
  • 00:39  笑いというのは正しく武器であって、武器と同じく、狙わないと意味がない。狙って、お客さん笑わせて、その上で、相手を怒らせないと力にならない。笑いがどれだけ強力な力を持っていても、それを単純に消費してしまうと、何の効果もない
  • 00:40  ネットには消費する笑いが多いような気がする。民主党の政治家を笑うか書き込みは2ちゃんねるにたくさんあって、それは確かに笑えるんだけれど、それを読んで、じゃあ政治家の人が腹の底から怒ったのかと言えば、むしろ単に聞き流した人のほうが多く思える
  • 00:41  あれはこう、気にくわない人たちを、笑うことで単に消費してしまっていて、せっかく笑いに変えたのに、笑い飛ばしてしまうことで、何かを変える力にできていない。是非はともかく、力の使いかたとしてもったいない気がする
  • 00:42  @raurublock 私もその、たぶんドラッカーか誰かの金言を引っ張って、あれこれ考えていたのです。。  [in reply to raurublock]
  • 00:43  「怒ったら負け」は真実なのだと思う。でも「笑えば勝ち」は、そうでないケースのほうがむしろ多い。弾に当たれば大けがするけれど、銃を撃ったところで、当たらなければ何の意味もない
  • 02:04  明解な答えが導けるのなら、問いの立てかたを間違えている。解答の正しさが議論の余地なく検証できる問題は、たいてい誰かを不幸にする
  • 13:28  オルグを定着させていく上で、ゲームマスターによるクエストの設定に相当するものが大切なのだと思う。普通の人はただ生活する。オルグで変わった人は、問題解決のために日々行動する。大きな目標に向かって、小さな問題をいくつも配置する必要がある。
  • 13:29  このあたりはたぶん、遠くの目標をどれだけ磨いても駄目で、ゲームデザインをしっかりしないとユーザーは飽きるのだと思う。どれだけ壮大なテーマのゲームでも、12時間ひたすらお使いでは売れない。小さな問題と、それを解決した人への賞賛とを、人為的に作り込まないといけない
  • 13:31  ある種の団体から抜け出した人が、もっと経済的に豊かであるはずの日常生活に戻って、結局それがいやになってしまう理由の一つが、たぶん「解決すべき問題がやってこないこと」なのだと思う。それは自分で見つけないといけないんだけれど、向こうからやってきたほうが圧倒的に楽
  • 13:32  手に負える大きさの問題が定期的に、勝手にやってくる。それを解決すると一定の賞賛がもらえて、寝て起きるとまた別の問題がやってくる。大きな目標への進捗は逐一報告される。成功しているカルトはたぶん、こうした仕組みを持っている
  • 13:33  一揆みたいに、餓死手前まで追い詰められた人が決死の覚悟で起こす運動と、解決すべき問題がない、ただ生きるのではなく何かやりたい、という思いを抱えた人がカルトに勧誘されるのとは根本的に異なるのだと思うし、勧誘の方法も異なってくる
  • 13:35  苫米地さんの本で、「教育をカルトの一種であると看破する立ち位置は、自分は反対する」と書いてあった。薬物の使用まで視野に入れるような団体のやりかたと、教育の、うんと極端な運用の範疇で収まる団体のやりかたとは、出発点がずいぶん違う
  • 13:37  苫米地さんが相手にしているような元信者の方法論と、たとえば統一協会の元信者を社会復帰させる仕事をしている人の本に書かれていることとではずいぶん異なる。後者には、苫米地さんが言うところの逆洗脳みたいな手続きは出てこない。たぶんヤマギシ会も
  • 13:39  苫米地さんの本というのは、読者の側からは内科の一般入門書だと思って読んで、書いている本人は、たとえばごく特殊な肝疾患に対する治療について詳解したと思っている、実際にそう宣言しているところがあって、お互いのギャップはけっこう大きい気がする
  • 15:05  「明日、夫が逮捕されちゃう!?」 という漫画を読んだ。行政書士の人が、訴訟に巻き込まれてひどい目に遭うお話。当事者の生活激変ぶりと、悪役たる弁護士会やマスメディアの微動だにしない安定感との対比がおっかない
  • 15:07  物語というか、実話みたいだけれど、主人公のご家族は人生一変しているのに、そうした張本人の弁護士会や、マスメディアの人たちは、物語には実質ほとんど関わってこない。彼らがちょっと見解示したり、ちょっと取材したり、その「ちょっと」が個人には十分致命的
  • 15:08  平和に暮らしてた個人に、ある日数十億円の賠償請求が、という流れなら物語になるけれど、大きな団体が、その人の行動にちょっとした「懸念を示した」ぐらいのことでは物語にならない。でも実際に起きているのはそういうことで、ごく地味な何かが、それでも個人の生活を大きく変える
  • 15:10  大きな集団に属していて、なおかつ個人の名前でなく、組織の名前で動けることは、やっぱり極めて強力な力を持つ。人一人殺すのに、ガンダムに乗ってたのなら「本気」を出す必要なんてどこにもなくて、ちょっと人混みを歩けばそれで十分致命的になる
  • 15:11  逆に言うとやっぱり、組織の名前で動く人には関わりあいにならないほうがいいし、ネットみたいにどう接続されるのか分からない場所で、個人の名前出して何かするのは、よほど強力に備えていなければやってはいけないのだと思う
  • 15:12  絶望的な力の勾配は理不尽だけれど、その理不尽さに個人として立ち向かっても、スパルタの戦士があの格好でガンダムに立ち向かっていくようなもので、勝負以前の対峙にしかなりようがない
  • 15:16  お互いの悪意に大きな差がある、というのが絶望的に思える。メディアの報道で人生失った同業者は時々いるけれど、マスメディアの中の人が、じゃあ「そいつの息の根を止めてやる」なんてものすごい気合いを入れているかと言えば全然そんなことなくて、その人はたぶん、次の記事の締め切りに追われている
  • 15:18  中の人は「自分の力で正義を」なんてことすら、下手すると考えていない。ただ忙しく仕事をしている中で、たまたまそれを報じただけで。
  • 15:19  お互いの温度差が、自体を余計に悪化させる側面は、いろんなコミュニケーションの場においてトラブルの種を作る。相手の温度を知ることで、部分的にせよそれが回避できるのだろうけれど、組織が大きくなるほどに、温度差は大きく、実感は難しくなる
  • 22:00  村田宏雄「オルグ学入門」。誠実な内容だと思った。それが「いい」のか「悪い」のかどうかはともかく、道具としてそういうやりかたがあって、行使するとこんな結果が得られる、ということがきちんと書かれている気がする。
  • 22:02  オルグとカウンセリングは異なる」という立ち位置が発見だった。どちらも最初は、相手の意見をひたすら傾聴する。自分の側から口を開いてはいけないのだと。相手を大衆運動に巻き込むような誘導を行うときにもまた、全ての基本は「聞くこと」なのだと
  • 22:04  傾聴して、相手の抱える問題がはっきりしたところで、カウンセリングはここから、相手の内部へと意識を誘導する。自己による解決を目指す。オルグは逆に、目線を外に向ける。その問題はその人の内部ではなく、社会の側に問題があって、相手の自己を強力に肯定することで、社会の変革へと目的を導く
  • 22:05  「問題の原因を外に求めよ」という考えかたは、扇動の技術という1950年代の本にも似たようなことが書かれていた。あれは観察の結果をまとめた本で、オルグ学入門は、それを再現可能な方法論にまとめようと試みている。
  • 22:07  「影響力の武器」が対象にしているのはセールスマンの人や広告業界のやりかたで、大衆運動オルグのそれとは少し異なる気がする。品物を買うことと、自らの時間を投じてある運動に参加することと、地続きではあるけれど
  • 22:09  やはりこう、こういうのは方法論として「これ」というものがある程度固まっているのだと思う。オルグ学入門は、答え合わせのために買ったようなものだけれど、カルトの本で読み囓った知識と、この本に書かれていたやりかたとの間には、それほど大きな開きはなかった
  • 22:12  自分がコミュニケーションの本を作るときに参考にしたのは、せいぜいこの時代までのやりかたで、そういう意味では恐ろしく古くさい。でも最近の洗脳の手法やマインドコントロールの手法、あるいは心が見通せるはずのNLP のテクニックなんかはどうしても自分には理解できなかった
  • 22:13  昔のやりかたは、日常生活に照らし合わせて、何気ない会話の中で、たしかに似たようなことをやっていたり、読んでいてなるほど、と我が身を振り返ることがあって、それが方法を引く根拠になった
  • 22:14  最近のはもう神秘的に過ぎるというか、すさまじい効能をうたう反面、そうした効果のある技法が、日常会話の中で、偶然にせよ全く使われず、それを唱えた人以外にかつて発見した人がいなかった、という部分がまず持って信じられなかった
  • 22:16  苫米地さんの本に出てくるような神秘的なやりかたは、あれは特別に神秘的な特殊ケースに対する、特殊なやり方の紹介であって、日常生活で何かを返るものとは違う。勧められた「洗脳言論」の冒頭にも、それっぽい記述があった
  • 22:18  大衆扇動のような技法は、それでももう、力を失っているのだとは思う。陰謀論を何かの組織に引き受けさせようにも、そもそもそれだけの規模を持った巨大組織なんて、もう公明党ぐらいしか残ってない。あれにしたって秘密には全く遠いし
  • 22:19  「○○は全てサヨクの陰謀」系の話にしたところで、あれは価値観が無数に分裂した現在、かろうじてごく少数が固まっているから時々そう見えるだけで、実体はやっぱり、彼らだって大変なんだと思う。平均年齢すごく上がってるとか、何かで読んだ記憶がある
  • 22:20  @gnsi_ismr あの人の本をどう理解すればいいのか未だによく分からないのですが、「特殊ケースでの特殊な正解」を解説しているんだろうな、と思っているのです  [in reply to gnsi_ismr]
  • 22:22  オルグ学入門にも、無関心なのに近寄ってくる奴が最悪だとか、議論の舞台に相手を上げられたなら、理論オルグはだいたい成功なんだとか、自分がここ数年で「発見」したことが詳解されていた。もう30年以上昔に、すでに同じ道を通り過ぎた人がいた
  • 22:27  @gnsi_ismr あの人もたぶん、勉強でなく、現物あわせを通じてああいう方法にたどり着いたんだろうな、と。。  [in reply to gnsi_ismr]
  • 22:39  説得的なコミュニケーションを行う、意図に基づいて、相手の見解を書き換える必要が発生した時点で、すでにコミュニケーションは失敗しているとも言える。決定的な見解の相違を回避できるのならば、妥協を通じて交渉は成立する。説得の必要は発生しない
  • 22:40  説得の必要というものは、航空機で言うところの失速みたいなものだと思う。失速は墜落ではないし、失速後のコントロールに通じた名人は、あるいは航空機ですごい機動を行ってみせるけれど、失速しなければ、航空機は基本的に墜落しない
  • 22:42  説得的なコミュニケーションを論じた本は面白いけれど、日常生活でそれを使うと幅が広がる、ということはないのだと思う。洗脳とかマインドコントロールとか、話題としては大好物なのに、結局自分の本にはそういうことは書いていない。普段使っていないから
  • 22:43  ただしこう、「失速しなければいい」からと言って、失速後の機動に通じる必要はないわけではないのだと思う。失速に入るやりかたを知らない人は、そもそも失速を避けられないし。
  • 22:45  「安全運転」は、免許とりたての初心者にだってできるし、F1 ドライバーにだってできる。じゃあ安全運転の教本があったとして、初心者に「安全運転のやりかた」が解説できるかと言えば、やっぱりそれは違う。危険なやりかたを知らない人に、安全は教えられない
  • 22:46  危険な運転を知っているからと言って、じゃあその人が全ての交差点を4輪ドリフトで曲がる義務があるかと言えば、そんなことはない。じゃあ普通に交差点を曲がる上で、そうした知識が邪魔かと言えば、それもまた違う。
  • 22:49  @KKanehira 免許取るときにも、アクセルターンぐらい習っておいてそんはないですよね。。  [in reply to KKanehira]
  • 22:54  @gnsi_ismr それを使わなくても、特殊状況のコミュニケーションに通じた人は、「普通のおしゃべり」も、もっと余裕を持って行えるのでしょうね。。  [in reply to gnsi_ismr]
  • 22:55  @KKanehira 昔はもう、免許取ったら夜中の峠道で実地教習でしたね。。。  [in reply to KKanehira]
  • 23:05  http://bit.ly/nU4tMA 文章の緊張感がよかった。
  • 23:06  @gnsi_ismr たしかにこう、免許とりたてのドライバーはすぐに肩が凝って、あれはフィードバックループを過剰に回してるからこそなのでしょうね。。  [in reply to gnsi_ismr]

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