2006-04-19から1日間の記事一覧

空気を使った仕事のやりかた

空気を読もうとする人に対する批判が増えたような気がする。やっている仕事の影響なのか、 こうした意見には違和感を感じる。空気は役に立つ。少なくとも、自分が病院で仕事をするには。##医療は配分の問題 漂流する宇宙船に100人の人が乗っていて、次のステ…

**家族を抱きこむ**。奥さんや実家の家族には、ICUスタッフのその日の担当者、

上の先生の顔を覚えてもらって、毎日挨拶してもらった。集中治療室での管理をしてもらえる期間は、通常長くて2週間。毎朝の各科集まってのミーティング。「**次に出されるのは誰だ**?」というのは、 みんなの共通の関心事。入室の長い科に対するプレッシャーは…

**自分の考えを伝えて、相手に判断してもらう**。

決める人は常にICUスタッフで、内科はその下僕という スタンスを徹底した。

**常に患者さんの話題を出す**。本人は呼吸器つながれて意識も無いから、

話題なんか作りようもない。 それでもしゃべる。奥さんが髪の毛を染めた。 子供が昨日泣いていた。明後日長崎から両親が来るらしい。何でもしゃべった。

**毎日「よくなっています」という**。良くなっている人には、みんな熱心になる。

ICU入室後の最初の1週間、患者は毎日「良くなって」いった。 化けの皮がはがれて心臓が完全に止まった頃には、もうみんなと知り合いになっていた。

**毎日患者さんのエコー検査を行う**。エコーを毎日やることには、医学的には何の意味も無い。

エコーは検査の道具ではなく、コミュニケーションの道具だ。見慣れない医者が、 見慣れない検査をしていれば、人が集まる。人が集まれば、その病棟のスタッフと会話ができる。

**用が無くてもいつも病棟にいる**。ICUに本を持ち込んで、

飯喰うとき以外はいつもそこでブラブラしていた。

みんなで酸素の奪い合いをして、生き残るのはようやく数人

どう立ち回っても、50人分の酸素で50人を生かすのは、けっこう難しい。臨床医学というのは、「50人分の医療資源をどうやって100人に配分するか」という学問だ。手持ちの資源を上手く使って、最初の50人は何とかする。間に合わない50人分は、 血と汗と根性と気…

全ての乗組員が人権活動家だったら、やっぱり全滅

全ての乗組員が共産主義者だったら、リーダー一人を残して全滅

残りの酸素を平等に分配すると、全滅