2006-07-07から1日間の記事一覧

性善説と性悪説

7月から、療養病棟の保険点数算出方法が大幅に変わった。今までは出来高払いの延長。節約してやりくりすれば、たいていの医療行為は 何とかなった。7月からは、ルールが大幅に変わった。

性悪説をとるルールは、結果を達成することよりも、ルールを守らせることのほうに重点をおく。

プレーヤーの行動は同じようだけれど、その結果が多様化する医者の仕事というのは、「**よくする**」という一つのゴールに至るまでの道のりを追求する仕事だ。今までの出来高払い制度というのは性善説で、合理的にやろうが悪どく儲けようが、 結果さえうまくい…

性善説をとるルールは、ゴールのみを設定して、そこに至るまでの過程はプレーヤーに任せる。

結果は一つだけれど、過程は多様化する

むせ込みの多い患者さんは、頑張らないでさっさと気管切開を勧める。これをやるだけで「重症」あつかいになるから、

入院期間の延長はずいぶん楽になる7月からのルールでは、医療区分2の「少し重症」の人をどれだけ作れるかが鍵になる。ルールの改訂で、普通に歩けるような高齢者は病院から追い出されて、 頑張ればなんとか車椅子までいけてたような人は寝たきりになって、 「安…

体位交換の頻度を下げて、床ずれを作る。予防しちゃうと医療区分で「軽症者」になってしまうから、やるだけ損する

もう一つの方法は、手のかからない軽症な人を重症者に仕立て上げること

悪しき習慣ではあるのだけれど、高齢者医療の現場で、 みんなが望んでいるのは、「**良くなってずっと病院にいること**」だ。古いルールのときには、みんなあの手この手で落としどころを探って、このゴールに 近づこうとしたものだだけれど、今度からは無理。…

1つの方法は、厚生省の思惑どおりに重症の人を一生懸命安く治療して、「いい医療」をやること

患者さんの重症度に応じて、医療区分1から3まで(1が一番軽い)のランクがついた。軽症の患者さんを

長く入院させている**悪徳病院**は、黒字が減ることになった厚生省の考えている「勝利プラン」というのは、たぶんこういうことだ。>黒字を増やすには、医療区分で2〜3の重症の患者さんを多く入院させて、 より頭のいい検査プランを立てて、 最小限の検査で治療…

やったことを問わず、1ヶ月に国から支給されるお金は同額。検査を乱発する**ダメ医者**は損をするルールになった