ポール・グラハム論法

ポール・グラハム論法より。


論文は小数の専門家によってしか読まれない。ごく一部の論文は世の中に大きな影響を与えるが、残りの大半はほとんど影響を与えない。正確に言えば、博士号の取得であるとか、大学内の昇進・雇用の維持であるとか、学会の存続であるとか、そういうことには役立つ。

一方、ソフトウェアやサービスの形で外に出されたハックは、論文よりも多くの人の手に届きやすい。ユーザは実際にそれを使って役に立てることができる。既存のソフトウェアへのパッチも役に立つ。ここで、何らかの形で「外に出された」という点が重要である。ハックするだけでは自分以外の役には立たない。外に出してはじめて価値が生まれる。

読んでいて元気が出てきた…。

大学医局員としてはそれではいけないのだろうけれど、臨床の方法論をあれこれ考える以外に興味の無い人間としては、こういう考え方がだんだんと普及してくれるとありがたい。

もっともプログラムひとつ満足にかけない医者としては、「ハック」の形で世の中に問えるだけのものを作るのは非常に大変なのだけれど。