言葉のはじまり 神代のおわり

##魔術師は古いものを集める
古い祭具。古代の呪文。

時の試練を経たものには、それだけで神秘的な力が宿る。

ものの進歩の歴史というのは、魔術師にとっては堕落の歴史だ。

技術が進化し、学習可能なものとなり、それを使える人の数が増えるとともに、
神秘は単なる道具に成り下がる。太古の知恵は失われ、その力は衰える。

科学と魔術とは、その考えかたが全く違う。

科学は「学ぶ」ものだけれど、魔術は「**分かる**」ものだ。

魔術というのは、神代に使われていた技術を再現する試みだから、
必要な知恵はすべて古代に「**あって**」、それが時代とともに失われていったと考える。

神代の言葉は、根源の言葉。

全ての根源となったその言葉は、
それを唱えることができれば、強力な力を行使できる。

古来、根源言語の探求というのは、
魔術の重要な研究分野の一つだった。

##根源の言葉
魔術を実践する者にとっては当たり前のことだけれど、
言葉というものは最初から「**あった**」もので、
目的があって作られたものではなかった。