同意書を取るときの注意

セールストークの方法論から。検査同意書をすばやく取るために普段気をつけていること。

議論/論争は避ける

議論は理性の働きを活発にするので、迅速な判断を妨げる。
相手の体験に合わせて話題を選ぶ。相手の話に逆らわないようにする。

患者の正面に立たない

人間の正面というのは自己主張の領域で、商談や説明のときにここに立ってしまうと対決の関係になってしまう。できれば相手の横、少なくとも相手の目線の正面から少し外した場所に座るようにする。「商談はお客の脇で行え」という言葉もある。

同じ脇でも、左右で意味は異なる。

患者さんの右の脇は権威者の領域なので、検査の説明など、権威をもって行う必要があるものは患者の右側で行うと、信頼感が高まる。一方左脇は服従者の立ち位置で、この場所に立つと相手の意思を尊重します、という姿勢を示すことができる。診察は通常、患者の左脇に立って行う。一般の商談時にも、お客の左側に立つのが原則である。

患者の後ろでは何もしてはいけない

コルゴ13でなくとも、誰でも緊張する。後ろで動くと、患者に恐怖を与える。背後から近づいたり、声をかけたりするのは避けなくてはならない。特に複数の研修医をつれてムンテラにいくと、必ず後ろに回る奴が出てくる。

ムンテラ部屋に移動するとき、絶対に患者を尾行しない。後方に立たれると相手は不快に思う。せかされているような印象を与えてしまう。車椅子を押すときは例外。

目線の高さをあわせる

医者の目線が相手よりも上だと圧迫感を与えてしまう。患者さんが寝ているときはベッドサイドでしゃがんだり、座っているときは自分も座ったりして、相手よりも目線を下げる努力をする。

相手よりも「つらい」姿勢をとる

患者よりも悪い椅子を選んで座る。相手が座っていたらしゃがむ。相手が体を起こしていたら壁に寄りかかって無理な姿勢を作る。相手に「すまない」という感情を与えられると、話を早く切り上げられる。

遠くから挨拶をする

挨拶は患者の5-6mぐらい手前で一度会釈し、相手に自分の存在を認識してもらってから一歩前に出て、「はじめまして」と挨拶する。いきなり相手のテリトリーに侵入すると、警戒心を増してしまう。

全部やるとムンテラ時間が3割がた短くなる。