外来に夜中に来ては「主治医を呼べ!!!」と半年前に診察した医師の名を叫ぶ

今働いている地域は社会が暖かいからなのか、そうした人はほとんどいなくてホッとしている。

「時間のある人」が1人いると、救急外来は仕事にならなくなり、
こういう「常連さん」が3人もいれば、スタッフが嫌になって逃げ出してしまう。

こういうのは本来が理不尽な行為で、議論をすればもちろんこちらの正義が通るのだけれど、
「時間」という原資の量が医者にはほとんど無くて、相手には無限にあるから、「勝負」は
最初からついている。もう100%、医者側の負け。

そういうときには交渉専門の人、ソーシャルワーカーのような人に
十分な「時間原資」を持ってもらって交渉に臨むのだけれど、
「時間のある人」というのはしばしば何も持っていなくて、
立場も無ければお金も無い。

失うものが無い人の交渉力はとても強くて、またそうした人の受け皿として作られたのが
本来は病院という組織だから、もうどうしようもない。

下級生には「議論の席についた時点で負けだから、そうなる前に謝り倒して、とにかく逃げろ」と
教えていたけれど、他の方法、何か無いんだろうか…。