2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

情熱だけで人を引っ張るやり方は古いんですよ

あなたがたのやり方は非効率的

産科の崩壊の雪崩

##思考実験 1. ゴムか何か、変形可能な材料で出来たサラダボウルのような容器の中に、玉を1つ置く。 2. 何もしなければ、玉はボウルの底で静止している。ボウルの中心はちょうど底に当たる場所なので、少々外乱を加えた程度では、玉はすぐにボウルの中心へ戻…

変化を起こすための閾値が十分に低いこと

あまりにも密接につながったネットワークは、人がいっぱい入った湯船のようなものだ。誰かが「何か」を感じても、それが全体につながって雪崩を起こすことは少ない。マスコミの産婦人科叩き、事務方の冷たい態度、お産という行為自体に100%の成功を求めるプ…

個人個人のつながりが、あまり密でないこと

市中病院での分娩はサービスが悪くて味気ない。助産院や個人病院での分娩がトレンドに。市中病院の産婦人科は、いつしか不採算部門になり、事務方の対応が微妙に冷たくなる。

こうしたできごとは、すべて「ボウル」の縁を下げ、ボウルをボウルから平面へ、さらに半球へと変形させる力となった。「玉」の当事者である産科医は、たぶん縁がだんだん下がっていくのをもっと前から知っていた。それでも仕事はやってくる。病人が来た以上は、…

お産は医療からサービスへ。水中出産、自宅分娩、様々なバリエーションを選択可能なように。合併症が出たら、大きな市中病院の産科へ押し付け。

産科医を雇うのは高コストだ。人件費はバカにならない。1施設あたりの人数を減らし、当直回数を微妙に増やす。

いまSARSが再燃・流行したら、治療法は?

現在、もしSARSがひろがったら医師はどういう治療法をするでしょう。 [国立感染症研究所](http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/) の治療の項目を見てください。 ↓ http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/gdid-04.html これが国の機関の答えです**。 [内科開業…

競争の中で自分を見失わないために

>「医者なんて一生勉強だよ」とよく言われるのだが、別に医業に限ったことではなく、持てる知識や技術を駆使して仕事にあたる以上、どんな職でも一生勉強に違いない。>研修制度が義務化され、すでに一年以上がたつ。制度の受け止め方やこなし方といったスタ…

痛くないやりかたが正しいとは限らない

##道具には痛いものとそうでないものとがある 外科医の使うピンセットや鉗子には、「鈎」のついたものとそうでないものとがある。 左写真、左側が鈎付きの鉗子の先端。右が通常の鉗子。右の写真は、鈎の拡大。一見すると、鈎無しの鉗子のほうが、組織にやさ…

病院の中の幽霊

ほんの10年ぐらいまで、病院というのは怖い場所だった。幽霊の噂なんかどこの施設にもあった。>夜の病棟には、首から下のない患者が徘徊する。手術室のエレベーターの中で患者さんの悪口を言えば、エレベーターは霊安室のある階で止まる。天井から人の足、壁…

速く動くとはどういうことか

##のろまな奴は嫌われる速さは力だ。どんな状況にあっても、動きのすばやい研修医は、そのことで誰かの不興を買うことはない。もちろん、仕事は早いだけではなく、正確な事だって大事。 それでも、研修医の仕事には、正確さなんか求められない。たいていの病…

別のレジデントは病棟で詳しいやりかたを聞き、15分後に仕事をすませて戻ってきた。

「あいつはすばやい」と評価されるのは、仕事に30分かかった研修医のほうだ。「レジデントのあるべき姿」というのは、当の研修医が目指したいそれと、上級生が考えているそれとは大きな開きがある。研修医にしてみれば、忙しい環境の中、限られた時間で出来…

あるレジデントは頼まれた瞬間病棟を飛び出し、30分後に仕事を終えて戻ってきた。

何かの手技、点滴や採血にかかる時間

普通に考えれば、「仕事が速い」とは、結果が上がってくるまでの時間のことだ。でもそれは、現場での研修医の評価とは、しばしば異なる。もちろん、まじめで仕事の速いレジデントは、評価は悪くないのだが、「まじめでなくても、速い研修医は評判がいい」。#…

研修医が廊下を歩く、走るスピード

患者のサマリーが、レポートになって戻るまでの時間

用事を頼まれてから、帰ってくるまでの時間

事実は発見されるのではなく作られる

>強い想像力を持っている人には「100%想像した通りの未来」が訪れるということではない。 そうではなくて、強い想像力を持った人はあまりに多くのディテールを深く具体的に想像してきたので、 訪れるどのような未来のうちにも、「ぴったり想像した通り」…

個人の選択は社会を変える

一人の決断、あるいは少数のグループの決断は世界を動かす。救世主ものの漫画(北斗の拳とか、風の谷のナウシカとか…)ではあるまいし、実世界でそんなことがおきることはめったに無い。社会的な地位の高い人、あるいは政治力の強い人なら社会全体に強い影響を…

病院での正しいプレゼンテーション

医者の世界というのは、つまるところ個人営業の自営業者の集まりで、予算も企画も、自分の判断でやりたい放題。自己の能力の範囲でやれることならば、他人に自分の考えを分かってもらう必要も無い。医者同士、あるいは他の病棟スタッフ等の交渉の際に必要な…

バトル・ロワイアル

競争に勝つのは楽しい。一方で、負けた奴を見るのは後味が悪い。競争というのは、要は潰しあいだ。勝ちたいと思ったら、必ず誰かを負かさなければならない。どんな競争であれ、そこには勝者と敗者というものが存在する。勝者は何かの報酬を得、一方で敗者は…