2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカに渡って大学教授をしている先生。タイや北欧に渡った人もいます。他にもいろいろ。

医者という仕事を続けていく中で、臨床をやりつつ論文執筆に時間を割くのは大変です。 その行為の意味は、現在の自分の時間を、自分の未来に投資するということです。臨床をやりつつ論文を書くという文化を知らない医者は、 そのあたりがかなりいいかげんで…

某南の島の地域医療体制を立ち上げて「神様」扱いされていた先生は、今ニカラグアで大腸カメラを

しています。

10年目ぐらいで急にボスニアに旅立ち、「手術室の壁は、銃痕でめちゃくちゃです」という手紙を最後に

失踪された外科の先生。2年ぐらい経って、ひょっこり戻ってこられました。

日常業務からいかに無駄を省くかという一点に血道を上げてきた人。

両者には接点がありません。例えば、生きた魚を捌いたことのある人と、 魚といったら魚屋の切り身しか見たことのない子供みたいな関係です。喧嘩にすらなりません。「魚は本当は生きている」という知識は、知らなければ知らないで、何とかなります。 日本に住…

論文執筆という行為が、医師としてのライフサイクルに組み込まれている人。

厳密にいって当科的な適応はありません。

返答はいろいろですが、要は「忙しいんだからそんな患者は紹介するな」。 実力あるんだから力貸してくれよ…。けっこう悲しくなります。##「論文を書くこと」の価値 臨床研修というのは、要は医者として活動するための洗脳教育です。どんなに個性の強い奴でも、研…

そんなの診ても業績にならない。

同じリスクと効果を維持しつつ、どこまで治療を合理化できるのか

今よりもうまいやりかた。無駄のない方法論。そうしたものは、 日本中の臨床家が常に求めつづけています。「**カイゼン**」への欲求というのは、 なにもトヨタ自動車の社員の特権ではなく、たぶん日本中の技術者の本能みたいなものです。発見できた「うまいやり…

今の診断プロトコールにどんな検査を加えれば、重要な病気の見落としが少なくできるのか。

ネットワーク化した病院の未来

##救急外来のつらさの変化 救急外来の当直空け、朝の5時ごろに煮詰まったコーヒーを飲む頃には 白衣が血まみれだったのは今は昔。地域の大病院に勤めるということは、その地域に住んでいる人たちの生き死にに対して、 無限責任を負うというのに等しいことだ…

治療につながる知識というのは、例えば呼吸器内科に紹介するときは胸部CTとLDHの採血が必須とか、○○先生にコンサルトするなら月曜の午後が最高とか、この症状が出たら、こういう採血を取って

この科に相談すると解決するとか、医師同士のコミュニケーションを円滑に行うための 知識。これをたくさん知っている医師は、「ソツがない」とか、「使える」医師などと表現される。前者の知識は、体験を通じてしか身につかない。こういう知識は共有できず、知識…

「腕」に相当する知識というのは、例えば手術や内視鏡の腕、専門的な技能や治療のための最新知識。こうした物を持っている医師は「ベテラン」とか、「ゴッドハンド」などと表現される。

どこまでやったら、「ゴール」とするのか。

大事なのは、それぞれの専門科ごとの、入り口と出口の部分の 共通化だ。各診療コンポーネントの内容については、それぞれの専門家に任せる。どんな方法であっても、 要はその人の守備範囲の病気が治れば、それでその人の役割はおしまいだ。診療コンポーネン…

どこまで検査をしたら、その患者を受けるのか。

患者の渋滞について

##直線道路でも渋滞は生じる 大学の研究者であった父親が、国土交通省に呼ばれたことがある。 当時の専門は、音響工学だった。問題点は、交通渋滞の対策。障害物のない道路で、なぜ渋滞が生じ、どう対策すればいいのか。渋滞中の車の振る舞いというのは、音…

その患者を取るのに、もっとふさわしい科があるのではないか。

専門各科はあれこれと理由をつけては、入院をブロックする。専門分化の発達した大病院。複雑な疾患を解決できる、高度医療を得意とする病院ほど、こうした 複雑な背景の患者を入院加療できるベッドが存在しない。病気を見られる医師は売るほどいる。 それで…

その問題が本当に「一番の」問題点なのか。

最新の治療は最善ではないかもしれない

##医療の進歩は過去を内包している 医療は進歩する。診断技術。モニタリングの技術。新薬や、新しい治療手技。医療の進化のプロセスというのは、進化論で言うところの断続平衡モデルに似ている。進化は、長期間の平衡期と、短い急激な変化期とを交互に繰り返…

急変した際、今までと違うこの治療では、何に気をつければいいのか。

新しいものには、先の展開の読めない要素が山ほどある。複数の科が合同で治療するとき、そこには必ずコミュニケーションのコストが生じる。 最新の治療のメリットというものは、しばしばその高いコミュニケーションコストに相殺されてしまう。特に患者さんが…

他科がやろうとしているほかの治療と、その最新の治療とはどうかち合うのか。

その治療が患者さんにとって本当に最高なのか。

兵器もまた、通信系を作るようになった。攻撃する目標が3つ。こちらの飛行機が3機。以前なら、3機の飛行機は、それぞれが3つの目標を狙い。合計9発のミサイルが発射された。現在はお互いの飛行機が通信して、3つの目標に使うミサイルは3本だけ。

こうした通信システムを導入した米国の実験部隊は、本当に2倍近い戦力差をひっくり返したらしい。 もっとも使った機材は故障続出で、まだまだ未完成なものだったそうだが。##病院組織に神経系を実装する 人間の潜在能力というのは、本来の3割ぐらいしか使っ…

レーダー機を飛ばして、戦場の「丘の向こう側」の状況が地上からも分かるようにした。このため戦車部隊は、容易に相手の裏をかけるようになった。

自分も本部も同じ情報を共有している。作戦の指令が出次第、自分たちが何をすればいいのかが分かる。

兵士もお互い通信するようにした。友軍の残弾がどのくらいなのか、いま攻撃を受けているのかなどをお互い通信しあう。

戦車や飛行機にGPSを載せて、現在位置をリアルタイムで確認できるようにした。

自分が今抱えている患者の問題に対して、その「解答」を知っている医師は誰なのか。

そういったことをリアルタイムで把握するシステムは、今のところ存在しない。「今その瞬間」に医師が把握できる状況というのは、自分の周りのせいぜい10m程度の範囲だ。 遠くの人が何をやっているのか、そうした情報を把握する手段というのは実質存在しない。 …

誰の時間が空いていて、誰が今困っているのか。

今現在病院内にはどんな病気の専門家がそろっているのか。