2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧
医者という仕事を続けていく中で、臨床をやりつつ論文執筆に時間を割くのは大変です。 その行為の意味は、現在の自分の時間を、自分の未来に投資するということです。臨床をやりつつ論文を書くという文化を知らない医者は、 そのあたりがかなりいいかげんで…
しています。
失踪された外科の先生。2年ぐらい経って、ひょっこり戻ってこられました。
両者には接点がありません。例えば、生きた魚を捌いたことのある人と、 魚といったら魚屋の切り身しか見たことのない子供みたいな関係です。喧嘩にすらなりません。「魚は本当は生きている」という知識は、知らなければ知らないで、何とかなります。 日本に住…
返答はいろいろですが、要は「忙しいんだからそんな患者は紹介するな」。 実力あるんだから力貸してくれよ…。けっこう悲しくなります。##「論文を書くこと」の価値 臨床研修というのは、要は医者として活動するための洗脳教育です。どんなに個性の強い奴でも、研…
今よりもうまいやりかた。無駄のない方法論。そうしたものは、 日本中の臨床家が常に求めつづけています。「**カイゼン**」への欲求というのは、 なにもトヨタ自動車の社員の特権ではなく、たぶん日本中の技術者の本能みたいなものです。発見できた「うまいやり…
##救急外来のつらさの変化 救急外来の当直空け、朝の5時ごろに煮詰まったコーヒーを飲む頃には 白衣が血まみれだったのは今は昔。地域の大病院に勤めるということは、その地域に住んでいる人たちの生き死にに対して、 無限責任を負うというのに等しいことだ…
この科に相談すると解決するとか、医師同士のコミュニケーションを円滑に行うための 知識。これをたくさん知っている医師は、「ソツがない」とか、「使える」医師などと表現される。前者の知識は、体験を通じてしか身につかない。こういう知識は共有できず、知識…
大事なのは、それぞれの専門科ごとの、入り口と出口の部分の 共通化だ。各診療コンポーネントの内容については、それぞれの専門家に任せる。どんな方法であっても、 要はその人の守備範囲の病気が治れば、それでその人の役割はおしまいだ。診療コンポーネン…
##直線道路でも渋滞は生じる 大学の研究者であった父親が、国土交通省に呼ばれたことがある。 当時の専門は、音響工学だった。問題点は、交通渋滞の対策。障害物のない道路で、なぜ渋滞が生じ、どう対策すればいいのか。渋滞中の車の振る舞いというのは、音…
専門各科はあれこれと理由をつけては、入院をブロックする。専門分化の発達した大病院。複雑な疾患を解決できる、高度医療を得意とする病院ほど、こうした 複雑な背景の患者を入院加療できるベッドが存在しない。病気を見られる医師は売るほどいる。 それで…
##医療の進歩は過去を内包している 医療は進歩する。診断技術。モニタリングの技術。新薬や、新しい治療手技。医療の進化のプロセスというのは、進化論で言うところの断続平衡モデルに似ている。進化は、長期間の平衡期と、短い急激な変化期とを交互に繰り返…
新しいものには、先の展開の読めない要素が山ほどある。複数の科が合同で治療するとき、そこには必ずコミュニケーションのコストが生じる。 最新の治療のメリットというものは、しばしばその高いコミュニケーションコストに相殺されてしまう。特に患者さんが…
こうした通信システムを導入した米国の実験部隊は、本当に2倍近い戦力差をひっくり返したらしい。 もっとも使った機材は故障続出で、まだまだ未完成なものだったそうだが。##病院組織に神経系を実装する 人間の潜在能力というのは、本来の3割ぐらいしか使っ…
そういったことをリアルタイムで把握するシステムは、今のところ存在しない。「今その瞬間」に医師が把握できる状況というのは、自分の周りのせいぜい10m程度の範囲だ。 遠くの人が何をやっているのか、そうした情報を把握する手段というのは実質存在しない。 …