2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

**自分が表現しようとするものに適切な言葉をあてる**。

クダクダと何語も連ねるのでなく、ピタリと言う。

**「名文を書こう」などという色気がチラとでも見える文章はイヤらしい**。

そんなことより、いま書きたいと思うことを、わかりやすく、自分の使い慣れた言葉 で、しかもこれ以外にない、という適切な言葉を選んで表現する。そのため にはボキャブラリーは豊富でなければ。

**「達意の文章」であること**。わかりやすいこと、一読して何を言お

うとしているか、相手にわかること。何度も読み返さねばわからず、読みように よって意味が違ってとれるなど論外。あまりに長い文章は、たとえば野坂昭 如のごときのテクニシャンでなければ、たいてい破綻をきたす。

いい文章の書きかた

実家の言い伝え。

感染症診療のWeb教科書

静岡がんセンター感染症科 の先生が、感染症の教科書を公開しておられた。[感染症ブログ:「感染症診療の手引き」公開のお知らせ](http://blog.livedoor.jp/lukenorioom/archives/50482604.html)PDFは印刷がきれいでいいのだけれど、欲を言えばHTML版を公開し…

空気を使った仕事のやりかた

空気を読もうとする人に対する批判が増えたような気がする。やっている仕事の影響なのか、 こうした意見には違和感を感じる。空気は役に立つ。少なくとも、自分が病院で仕事をするには。##医療は配分の問題 漂流する宇宙船に100人の人が乗っていて、次のステ…

**家族を抱きこむ**。奥さんや実家の家族には、ICUスタッフのその日の担当者、

上の先生の顔を覚えてもらって、毎日挨拶してもらった。集中治療室での管理をしてもらえる期間は、通常長くて2週間。毎朝の各科集まってのミーティング。「**次に出されるのは誰だ**?」というのは、 みんなの共通の関心事。入室の長い科に対するプレッシャーは…

**自分の考えを伝えて、相手に判断してもらう**。

決める人は常にICUスタッフで、内科はその下僕という スタンスを徹底した。

**常に患者さんの話題を出す**。本人は呼吸器つながれて意識も無いから、

話題なんか作りようもない。 それでもしゃべる。奥さんが髪の毛を染めた。 子供が昨日泣いていた。明後日長崎から両親が来るらしい。何でもしゃべった。

**毎日「よくなっています」という**。良くなっている人には、みんな熱心になる。

ICU入室後の最初の1週間、患者は毎日「良くなって」いった。 化けの皮がはがれて心臓が完全に止まった頃には、もうみんなと知り合いになっていた。

**毎日患者さんのエコー検査を行う**。エコーを毎日やることには、医学的には何の意味も無い。

エコーは検査の道具ではなく、コミュニケーションの道具だ。見慣れない医者が、 見慣れない検査をしていれば、人が集まる。人が集まれば、その病棟のスタッフと会話ができる。

**用が無くてもいつも病棟にいる**。ICUに本を持ち込んで、

飯喰うとき以外はいつもそこでブラブラしていた。

みんなで酸素の奪い合いをして、生き残るのはようやく数人

どう立ち回っても、50人分の酸素で50人を生かすのは、けっこう難しい。臨床医学というのは、「50人分の医療資源をどうやって100人に配分するか」という学問だ。手持ちの資源を上手く使って、最初の50人は何とかする。間に合わない50人分は、 血と汗と根性と気…

全ての乗組員が人権活動家だったら、やっぱり全滅

全ての乗組員が共産主義者だったら、リーダー一人を残して全滅

残りの酸素を平等に分配すると、全滅

この世の全ての悪に…

##記憶の人フネスボルヘスの小説「記憶の人フネス」は、完璧な記憶力の持ち主の不幸な物語だ。物語中では、フネスは痴呆に近い人、頭の回転が鈍い人として描かれる。フネスは完璧な記憶を持つ。その代わり、考えることができない。フネスの記憶は完璧すぎて、…

「犯人は○○」とか、「実は、黒幕に○○がいて…」という真実は形が見えるから、それに火をつけて

焼き捨てることができる。忘れられなくなると、みんなフネスになる。考えられなくなり、なんでもいいから燃やせるものを探し出す。忘れるため、思考を続けて、前に進むためには、「原因」を紙に書いて焼き捨てなくてはならない。たとえそれに効果がなかったと…

「システムの問題」とか、「確立の問題」といった真実は、火をつけて焼くことができない。

似非科学で人を騙す人は、まず問題に対する結論を出してしまって、

それを証明するために研究をする。全然違うようだけれど、出発点は同じ。何かの問題があって、それを解決するために なにか原因を特定したいという思いはどちらも共通だ。この思いすらないものは、 似非科学でなくて詐欺という。西洋医学は科学的な手法を用…

伝統的な科学者は、問題を研究して、論理を積み重ねて結論にたどり着く。

病棟で幸せなスタートを切るために

新学期。どこに行っても、この時期の新人はいろいろだ。やたらと元気で要領のいい奴。 おどおどして使えない奴。 地味な奴。派手な奴。やる気を見せるのが上手な奴と、自己演出の下手な奴。 上級生は忙しい。スタッフはもっと忙しい。中身なんか見ているヒマ…

「やる気」の演出が下手

たぶんこれだけ。勝つためにはプラスアルファの要素が欠かせないけれど、 「負けない」ようにすることは、決して難しくない。 前任の友人には引継ぎをしっかりさせる**。書類の書きかたを教えてもらったり、 機械の操作を教えてもらうときには、そもそもその書…

患者さんの評判が悪い

上級生との口のききかたが悪い

前任との引き継ぎができない

痩せてる奴は最初から鋭さが求められるから、第一印象がすごく大事。

いい仕事をすればいつか分かってもらえるなんてウソだ。 「いつか」なんか絶対に来ない。カバーキャラクターを自覚的に演じられない奴には、 残念ながら病棟の表舞台に立つ資格なんかない。##「負けない」新人になる方法 ローテーションの時期がくれば、また一か…

マッチョはまじめすぎると怖いだけ。

デブが鋭さを見せるのは、病棟スタッフと十分なじんでから。